144MHz移動用グランドプレーン                                      もどる

◆はじめに(2010/04/24)
ちょっとした移動運用に使うアンテナとして @持ち運びが楽で A組立/分解に時間がかからず Bいちいちビームを回す必要のない「グランドプレーン」は中々便利なものです。ここでは、ネジを1本締めるだけで組立の出来る移動用GPを紹介します。


◆電気的な構造は (参考文献:アンテナ製作マニュアル 1992年電波新聞社発行)
1/4λのエレメント長さは 75÷使用周波数MHz)×短縮率(0.92〜0.98) で求められます。ここで短縮率というのは、高周波エネルギーは空気中よりも電線の中を通る速度の方が遅いために用いるものです。

ラジエータ長の計算式 : 75÷144.2×0.98=510mm

ラジアル長は1/4λ〜1λとされ、ここでは1/4λとして 75÷144.2=520mm としました。

また、アンテナのインピーダンスはラジエータとラジアルの角度によって以下のようになりました。(木造家屋における室内測定)

  1. 90度で20Ω(SWR2.5)
  2. 60度で50Ω(SWR1.0)
  3. 30度で75Ω(SWR1.5)

輻射角を低くしたいためアローライン風に30度としました。SWRは1.5ほどになりますが、実用上は問題ありません。

◆機械的な構造は(2010/04/24)

  1. ラジエータはφ2×500mmのピアノ線(東急ハンズで購入)を使い、ボビンに固定する部分には、φ4×8mmのスペーサを半田付けしました。
  2. φ6のボビンをφ8ボビンに押し込み、先端から15mmの位置に3.2mmの穴を貫通してあけ、そこにM3×25mmのビスと蝶ナットを使い、間にスペーサを入れてラジアルを固定します。下図ではφ6のボビンが短く描かれ、ネジ穴に達してないように見えますが、実際は強度を高めるためφ8、φ6共にネジは貫通しています。
  3. ラジアルはφ2×520mmのピアノ線を2本準備します。そして先端にDST2-3.5の圧着端子をかしめ、半田付けしておきます。

 

◆組立(2010/04/24)

  1. φ4スペーサ、φ6、φ8ボビンをそれぞれ差し込みますが、はめあいが硬かったため、特に接着剤は使っていません。
  2. 同軸3D2Vの先端を図のように加工し、芯線はラジエータに半田付け、網線は左右に分け、スペーサに半田付けします。
  3. 同軸はバインド線でベークボビンに2箇所しばりました。
  4. ポールとして4.5m渓流用カーボン釣竿(10段)の下から6段目までを使い(実質2.7m)、内径が約8mmのところに差し込んで使いました。

 

◆調整方法(2010/04/24)
トランシーバ→SWR計→144アンテナ の順に接続し、144MHz(FMまたはCWモード)で送信してSWRが下がるようラジエータを切り詰めますが、1.5以下になればOKです。

◆収納(2010/04/24)
使い終わればネジを緩めラジアルをラジエータ側に倒し、同軸を束ねればおしまい。長さは渓流用の釣竿56cmとほぼ同じです。

<完了>