144MHz電圧給電アンテナ
◆はじめに(2018/5/25)
144MHzで移動運用する時のアンテナとして、1/4λのロッドアンテナよりは利得があり、木の枝などにぶら下げればすぐに設置ができ、撤収の時もクルクルっと丸めれば小さくなってしまう。そんな小型軽量のアンテナを作ってみることにしました。
◆電圧給電アンテナとは(2018/5/25)
1/2λエレメントの中央から給電すればインピーダンスは73Ωとなって同軸の接続は可能ですが、端部から給電しようとすると電圧腹のためインピーダンスは数KΩになって50Ωの同軸を直接つなぐことはできません。そのためマッチング回路が必要になり、また給電点の電圧が高くなるため使う部品の耐圧に注意が必要です。
◆コンデンサVC1の耐圧(2018/5/25)
144MHzにおいて 出力P=2W、インピーダンスR=50Ωのトランシーバーを想定しました。
A点の電圧 A=√(PR)=√(2×50)=10(V)
B点の電圧 B=A×コイルの巻き数比=10×10/1.5=67(V)
したがってB点には実効値で67(V)の電圧がかかるため、それに耐えうるコンデンサが必要です。
◆マッチングボックス(2018/5/25)
(左)マッチングボックス (中)プリント基板上の配置 (右)エレメントの先端に取り付けた圧着端子
◆SWR特性(2018/6/1)
木造家屋室内での測定ですが、FT817をCWモードにしてキャリヤを出し、145MHzでSWRが最低になるようトリマを回すとメータの針がストンと落ちました144〜146MHzの範囲内では問題なく使用できるレベルです。
◆受信状態における1/4λとの比較(2018/6/1)
144H4機に1/4λロッドアンテナを付けた場合との比較ですが、Sにして2程度は向上しました。打ち上げ角の違いといった要素が影響していると思われます。
◆エレメントからの輻射(2018/6/1)
さてアンテナからはどのように電波が出ているのでしょう。図のような高周波電圧計を作り、アンテナに沿って上下に移動しながらメータの振れを図に点線で書いてみました。エレメントの上端部と下端部に山があり、中央部に谷があります。
直径10cmほどに束ねたアンテナ。ヒモの先端には釣り用のオモリ(赤く着色)をつけて投げやすくしている。
<完了>
◆参考資料