430MHz移動用3エレ八木
◆はじめに(2026/5/8)
ハンディ機を持って移動運用するとき、附属のホイップアンテナでは物足りなく、もうちょっとゲインのあるアンテナが欲しくなります。多素子のアンテナはゲインはありますが、持ち運びや組立に時間がかかるため、ここではカメラの三脚に取り付けることができる3エレの八木アンテナを作ってみます。
設計編
◆固定用と移動用アンテナに求められるもの(2026/5/8)
同じアンテナでも固定用と移動用では目的が異なるため、その違いをリストしてみました。
固定用
- 耐候性(紫外線、温度、湿度、強風)
- 防水性(雨、雪)
- 錆・劣化に強い
移動用
- 組立や分解、設営が容易
- 落下や衝撃に強い
- 軽量でかさばらない
◆アンテナの設計(2026/5/8)
エレメントの長さや間隔は「アマチュアのU・VHF技術」にある資料を参考にしました。λ=693mm(433MHz)で長さを計算すると下の図面のようになります。

エレメントの長さと間隔
◆使用する材料(2026/5/8)
- ブームはアルミ製C型チャンネル(外幅24mm、内幅21mm、高さ13.5mm、肉厚1.5mm)を450mmに切って使います。
- 移動運用時は引っ掛けたり落としたりすることがあるので、エレメントは丈夫な方が良いためΦ3のピアノ線を使うことにしました。
- マッチングエレメントはΦ3の真鍮棒、ショートバーはM3×30mmの支柱(高ナット)を使います。
- マッチング用には10PF(50V)のセラミックトリマを使います。通常の出力は2Wほどなので耐圧的には問題ないでしょう。
- 同軸は3D2Vを1.4mに切り、端にBNCプラグを付けます。
- 給電部の保護用にテイシンのTB-50(50×30×20mm)モールドケースの本体部分のみ使います。あくまでも内部の保護用であって防水性はありません。
- 三脚を取り付けるナットはユニファイネジの1/4-20UNCを使います。
◆給電部の構造(2026/5/8)
整合回路はガンママッチとし、スライドできるショートバーとコンデンサの値を変化できるトリマが必要です。
給電部
製作編
◆給電部の製作(2026/5/15)
- 50×34×1mm厚のガラエポ基板に対し図のように彫刻刀で約2mm幅の溝を入れました。
- ピアノ線の半田付けする部分は、細かいやすりで磨いてから半田メッキしておきます。
- ピアノ線がずれないよう、基板にΦ1の穴を4か所あけてΦ0.5のスズメッキ線でしばり、基板へ半田付けします。
- エレメントや同軸と干渉する部分は保護カバーを丸ヤスリで削っておきます。また保護カバーは基板に立てたM3ビスと化粧ナットで固定します。
- 同軸3D2Vを基板に固定するためΦ2.2の穴を2個あけ、バインド線でしばりました。
- 基板の裏面にはブームの溝にはまるガイドとしてベーク板(幅21×長さ25×厚み2mm)を貼り付けました。
- ショートバーはM3×30mmの支柱(高ナット)にΦ3.2の穴を2個あけて放射器エレメントとマッチングエレメントを通し、両端からM3のビスをねじ込み緩み止めとします。


(左)給電部 (中)保護カバー (右)溝部ガイド
ショートバー
◆エレメントの固定方法(2026/5/15)
- D(導波器)、R(反射器)もΦ3のピアノ線を使います。
- Φ3×12mmのスペーサの中央にΦ2.5のキリで穴を開け、M3のタップでネジを切ります。
- スペーサにピアノ線を通し、M3のビスで固定しますが、ここも半田付けしておいた方が良いでしょう。

◆三脚に固定(2026/5/15)
- この3エレはカメラの三脚に取り付ける事を想定しており、カメラ底部のネジに合う1/4-20UNC(ユニファイネジ)をブームの端に2液性エポキシ接着剤で固定します。
- ナット部を支点としてエレメント側に質量が集中しモーメント的にバランスは悪いですが、三脚には問題なく固定できました。
- 本アンテナはケーブルを含め質量は250gでした。

◆ポールに固定(2026/5/15)
- ブラケット付きのUボルトを使ってポールにも固定出来るようにしました。
- 蝶ナットを回せるようΦ10(内径Φ6)のABSパイプを15mmに切ったスペーサーを入れています。

<続く>
参考文献
- アマチュアのU・VHF技術 CQ出版社