430MHzクリコンの製作(430X1)
◆はじめに(2013/11/30)
市販のトランスバータキット+自作の親機を組み合わせて430MHzSSBトランシーバーを作ってきましたが、トランスバータにはGaASのFETなど入手困難な部品が使われており、現時点での再現性が難しいため、このページでは入手可能な部品を使って430MHzのクリコン(クリスタルコンバータ)を作ってみましょう。
◆3エリヤ430MHzSSBの状況(2013/12/7)
35年ほど前は144SSBが非常に賑やかで混信さえたまにある状況だったため、そこを逃げ出しICOMのIC351という10Wのリグを買って430SSBに出ていたことがあったものの、現在は非常に静かな状況になりました。しかし、ありがたいことに毎日20:30〜21:00まで大阪・平野区のJP3AWG局がCQを出されており、数局がRSリポートの交換をされています。
◆クリコンの構成(2013/11/30)
◆プリント基板の製作(2013/11/30)
430MHzになると平ラグ板で回路実験と言うわけには行きません。空中配線では強度的に問題なので最初からプリント基板(ガラエポ)を作りました。紙フェノール(ベーク)は100MHzまで、紙エポキシで300MHz、ガラエポ(ガラスエポキシ)は1000MHzまでと言われています。基板のサイズは手持ちの関係で100×37mmになりました。高周波の流れる部分は太短く、グランドは広く、パスコンはゴマ粒のような0.001μFのチップコン(秋月で40個100円)、抵抗はリードタイプの1/6Wを寝かして使いました。UHF部の同調はスズメッキ線を使ったワンターンコイルなので、不要な結合を避けるため0.3mm厚の真鍮板を使ったシールド板を入れます。
部品側からの配置(灰色はアース、水色はワンターンコイル、緑の破線はシールド板)
(左)局発部の部品を取り付ける (右)384MHzの発振を確認
◆真鍮板の切断(2013/12/7)
真鍮板の切断は金属用の鋏を使いました。0.3mmの真鍮板であれば容易に切れますが、板が反ってしまうため後からリードペンチを使って真っ直ぐに伸ばしました。もう少しきれいに切れる手があればよいのですが、真鍮板の扱いは初めてなので最初はぎこちないものです。hi
金切り鋏
◆シールド板の取り付け(2013/12/7)
シールド板は14mm幅に切り、基板のグランド部から立てたスズメッキ線に半田付けします。コイルを包み込むような「コ」の字型構造にし、シールド板同士も半田付けして強度を高めました。
◆クリコンの調整(2013/12/7)
◆クリコンの評価(2013/12/7)
430MHzクリコンの部品取り付けが終わったので親機に接続して調整を終え、SSBの交信を聞きながら性能を比較してみました。サーキットハウスの430Mトランスバータ受信部とは同等の性能を示しましたが、クリコン+親機の総合性能ではFT817に比べ感度・内部雑音共に劣る結果となりました。通販で手に入るレベルの部品で430MHzのSSBトランシーバーを作ろうと回路実験を進めており、性能的には課題も残りますが受信部はこの回路で行こうと思います。なお消費電流は16mAでした。
<完了>