7MHzSSBトランシーバーの製作 戻る
はじめに(2010/10/09)
VHFは安定したQSOができるものの、Es時期以外は交信エリヤが限られるという側面があります。他方7MHzは一日中賑やかなバンドで各地の交信が聞こえるものの、大アンテナ+QROでないと太刀打ちできないような印象があります。しかし交信チャンスの多い'MHzは魅力的なバンドでもあり、QRPのSSBリグでどの程度実用になるのかから確かめようと思います。
QRPでSSB運用してみる
◆FT-817+VCHアンテナ+アンテナチューナーで運用してみる(2010/10/09)
兵庫県には伊丹市、宝塚市、西宮市、尼崎市などを抜けて流れる武庫川があり、広い河川敷とサイクリングロードが海まで続き、野球やサッカー、テニスのグランドも各所に整備されており、家からも手軽に行ける距離にあります。まずは河の近くに陣取り、自転車を倒してハンドルに4.5mの釣竿を結び、VCHアンテナを立てて運用してみました。
運用実績(2010/10/09)
1時間ほどの運用でしたが、1エリヤ2局、3エリヤ1局、φエリヤ1局でRSレポートは57〜59。QRPリグ+短縮アンテナという構成での運用は初めてで、交信できれば儲けものと思っていただけに、QSOできたことは感動的であり、結構いけるなとの感触を得ました。
武庫川河川敷で自転車を倒し、ハンドルに結びつけた釣竿とVCHアンテナ
◆モノバンドSSBトランシーバ(7MHz版)で運用(2010/10/09)
自作リグで運用してみようと、別の日にモノバンドSSBトランシーバ(出力2.5W)とVCHアンテナで1時間ほど運用し、1エリヤ2局、7エリヤ2局と57〜59で交信できました.。ただこのような日ばかりではなく、コンディションの悪いときは何度コールしても応答が無くて非力さを感じることもあります。
◆消費電流の比較(2010/10/09)
自作機と消費電流を比較してみると下のように大きな差があり、FT817の内蔵電池による連続運用は2時間ほどしか持ちませんが、自作機ならば10時間くらいは行けそうです。
試作機で運用しながら機能を検討する
◆モノバンドSSBトランシーバを屋外で使ったときに気づいた点(2010/10/09)
◆ラグ板機で検討(2010/12/04)
20Pの平ラグ板4枚を使ってトランシーバの回路を組み実験を進めます。
モノバンドSSBトランシーバ(7MHz版)からの変更点
下にある水色の長いものは12Vの電源(単3エネループ×10本)。質量は1.1kgでちょっと重いです。
◆低周波LPF(2010/12/04)
低周波LPFとして100mHと0.22μFの積層セラコン2個のπ型で組み、カットオフ周波数は1400Hzほどです。コンデンサの値を増やせば更に高音はカットできますが、音が硬くなることとチューニングしづらくなるため、この値に落ち着いています。
◆ドライバの石を変更(2010/11/07)
ドライバ段の石には2SC1906(ft1000MHz)を使っていますが、7MHzではゲインがありすぎるため2SC1815に変更しました。終段に使っている2SC2078のデータでは、27MHz(12V)において出力2Wを出すには入力電力は25mW必要で、7MHzならば更に低い値でもよさそうです。普段VHFのリグを作ることが多いためついゲインのある石を使いたくなりますが、HFにはHFに適した石を使えば動作も安定化するはずです。なおコレクタ負荷コイルのタップダウンについては、@センタタップにコレクタを接続する方法と、Aセンタタップに電源を接続する方法の2種類をテストしましたが、同調点や出力に差はありませんでした。
終段2SC2078の27MHzにおける入出力特性
◆クリスタルフィルタの素子数と切れ(2010/11/13)
クリスタルフィルタの切れを改善するため6素子だったものに水晶を2つ追加して8素子にしました。耳で聞いた感じは差が無いように思えたものの、キャリヤポイントを調べてみると、6の時は11.9958MHzであるのに対し、8では11.9963MHzとなり500Hzほどの変化です。ということはスカート特性の立ち上がりがよりシャープになったと言えるのでしょう。なおここで言うキャリヤポイントとは、アンテナ端子にQRPパワー計(100mWレンジ)をつなぎ、トランシーバを送信にしてキャリヤが漏れ始める(メータの針が振れ始める)ギリギリの周波数のこととしています。
◆QRHの測定(2010/12/25)
QRHをダイヤルの下端・上端の2箇所で測定してみました。リグは断熱ケースに入れ、セット後24時間経過してから1回目の測定を始め、次の測定も24時間後としています。リグの温度は25分間で約1度の上昇ですが、下端に行くほどQRHが多い傾向になりました。ポリバリを同容量(24P)のディップマイカ(温度係数はゼロに近い)に変更してみても同じ傾向にあり
(注記) 上記の考察につきましては当HPを閲覧されている方からのアドバイスを元に試験した結果です。アドバイスに対しお礼申し上げます。
◆VXOコイルでコア有りと無しを比較(2010/12/26)
上記の実験でVXOのQRHはコイルの影響が大きいとの結果がでました。コイルは10Kのボビンを使っており、ボビン+フェライトコア(ツボコア、中心コア)+ケースの構成です。フェライトコアがQRHに影響することはよく知られていますが、周波数を微調整できるメリットから多用されているのも事実です。空芯コイルならばどの程度のQRHかを調べてみようと、10Kボビンに0.1mmのウレタン線を57回巻き、ケースを被せたもので測定してみました。下のグラフのようにコア有りに比べQRHは2/3程度になりました。なおポリバリの位置はダイヤルの下(容量最大)と上(容量最小)、また25分間の測定でリグ内温度上昇は1度です。
VXO用10Kコイル(コア無し)
運用実績(2010/10/23)
トランシーバの出力は2.5W。地上に立てたVCHアンテナを使用し、兵庫県・武庫川河川敷(宝塚市、尼崎市)からの移動運用です。相手局のパワーは50〜100Wが多く、1/20〜1/40のパワーで交信でき、こちらがQRPであることを伝えると「よくアンテナを調整されてますね」という言葉が返ってきます。ただしQSBやQRMに弱いのは致し方無いでしょう。
電池を内蔵したトランシーバーと他の装備
CALL | DATE | HIS | MY | QTH |
JA1HAP | 2010/10/1 | 59 | 59 | 茨城県潮来市 |
JA1IKJ | 2010/10/13 | 57 | 45 | 千葉県市原市 |
JI2KNS/2 | 2010/10/19 | 59 | 59 | 三重県度会郡 |
JA3LOZ | 2010/9/29 | 59 | 57 | 大阪府高槻市 |
JA6XBH | 2010/10/18 | 59 | 59 | 福岡県北九州市 |
8J6 50YRC | 2010/10/18 | 59 | 59 | 熊本県八代郡 |
JG7MXZ/7 | 2010/10/1 | 59 | 59 | 宮城県角田市 |
JO7AYZ | 2010/10/1 | 59 | 57 | 福島県福島市 |
JA9BJS | 2010/10/13 | 59 | 52 | 石川県河北郡 |
JG0FVK/0 | 2010/9/29 | 59 | 59 | 新潟県長岡市 |