マイクアンプのゲイン測定

 
          実験回路               低周波発振機(トリオ AG-202A)

◆1石アンプのゲイン測定(2006/09/30)
 回路1のような自己バイアス方式の1石アンプを組み、入力には低周波発振機(トリオ AGー202A)をつなぎます。トランジスタは2SC1815のBLを使いました。入力電圧と出力電圧はデジタルテスタのACレンジで測定します。無負荷状態で電圧利得は20log(OUTPUT/INPUT)で計算し、入力電圧はコンデンサマイクからの出力と同程度の0.01Vに設定します。その結果35dBという値になりました。

 

◆TA7358Pのゲイン測定(2006/09/30)
 次はTA7358Pの1,2,3ピンを使ったAFアンプのゲインを測定します。回路はベース接地とエミッタ接地の2種類です。また3ピンの負荷抵抗を10KΩのボリュームにして変化させてみると、低→高でゲインが徐々に上がりますが、5KΩ近辺でゲインがピークとなり、その点を越えると信号が歪み始め、その後はゲインが低下します。ここでは負荷抵抗を470と3.3Kの2種類でゲイン測定してみました。

回路2のベース接地では入力インピーダンスが低いためか、低周波発振器をつなぐと、その出力電圧が数分の1に落ちてしまいます。アンプとしてのゲインはあっても、結果的にマイクアンプの出力に現れる電圧は低いものとなり、一見アンプとしてゲインが少ないように思えてしまいます。

◆まとめ(2006/09/30)
 SSBトランシーバとして入力にコンデンサマイクを使う場合、ベース接地よりエミッタ接地のほうが出力電圧が多く取れます。負荷抵抗については1石アンプの場合は値を大きくして行っても、急激にゲインが落ちるということはありませんが、TA7358Pのエミッタ接地の場合は一種の発振が起こるような感じで、急激にゲインが上がるとともに、ある点を境に歪が始まりゲインが下がるという独特の特性がありました。アンプとして安定的に使うには、負荷抵抗は2〜3KΩあたりが良いように思います。

<完了>