平衡変調器
◆回路の役割 (2003/09/14)
SSBやDSBのトランシーバを作る場合には、平衡変調器(バランスドモジュレータ 、略して バラモジ あるいは BM)が必要です。局発からの高周波信号と低周波アンプからの音声を合成し、搬送波(キャリヤ)を抑圧し、両側帯波(DSB波)を取り出すものです。
◆リング変調器 (2003/09/14)
下の回路はダイオード4本を輪のように接続しているため「リング変調器」とも呼びます。小型化を目的にしたリグにICの利用は欠かせませんが、スペースにゆとりのある固定用リグでは、原点に戻って各素子の動作が判るディスクリートで組むのも面白いと思います。
◆ダイオードについて (2003/09/14)
- 実験ではゲルマダイオードの1N60を使いましたが、1SS108などのショットキーバリヤダイオードも同様に使えます。
- ダイオードは4本の特性が揃ったものが良く、10本ほどの中からテスターで順方向抵抗と逆方向抵抗を測定し、値の近いものを選びました。
◆調整方法 (2003/09/14)
- マイク端子にマイクは接続しないでください。
- 【T1とT2の同調をとる】 バランスを崩しておくため、VR1は左右どちらかに回しきり、TC1は最大か最小にしておく。OUT端子に高周波電圧計をつなぎ、T1とT2を調整してメータの振れを最大にする。
- 【バランスとり】 VR1とTC1を交互に回しながら、メータの振れが最小になるよう調整します。これによってキャリヤ(搬送波)を抑圧し、DSB(USB+LSB)波を取り出します。
- 【動作確認】 マイクを接続してしゃべったとき、音声に従ってメータが振れるでしょうか。受信機(トランシーバなど)で11.272MHzのUSBを受信し、音声がきれいに聞こえればOKです。LSBに切り替えても同じように受信できれば調整は完了です。
◆キャリヤ抑圧比の参考値 (2003/09/14)
- この回路におけるキャリヤの抑圧比は15dBほどです。(参考:SSBハンドブックP249)
- その後クリスタルフィルタによってUSB波またはLSB波のみを通し、キャリヤを通さないようにすることで更に抑圧比を向上させます。
実験ボード上 BM部
<完了>