エナメル線
◆エナメル線とは(2019/12/13)
- 「エナメル線」とは裸の銅線をエナメルの被膜で覆った電線のことで、銅線にエナメル塗料を焼き付けて絶縁した電線を意味します。
- 「エナメル」とは「透明あるいは不透明なガラス質を溶かし、金、銀、銅等
の金属板に焼き付けた物の総称」を言い「エナメル」そのものは存在しません。
- もとの意味は陶磁器に塗る釉薬とのことです。
- パーツ屋で売っているエナメル線は @ポリウレタン線(UEW) Aポリエステル線(PEW) の2種類があります。
◆ポリウレタン線 UEW (2019/12/13)
- 一般に「ウレタン線」と呼ばれる線材であり、ポリウレタン樹脂を銅線に焼き付けたものです。
- ポリウレタンの被膜はハンダ付けの熱で溶けるため、半田付けする部分を紙ヤスリやカッターで被膜を削る必要はなく、特に細い線の場合は切ってしまうことが無くなるため有り難いものです。
- ハンダで被膜が溶けると言っても耐熱温度は120℃であり、一般的なビニール線よりも耐熱性に優れています。
- 市販されているウレタン線の色はほとんど銅の色に近く、紙ヤスリなどで被膜を取っても取れているのかいないのかよく判らない事があります。
◆被膜の溶かし方(2019/12/13)
被膜部分に半田ごてを当てても熱が伝わりにくく中々溶けないため、半田ごてに少し半田を溶かしてからウレタン線の切り口に当てて熱を伝わりやすくし、被膜が溶けて半田が銅線部分に広がるのを待ってから必要な長さまで半田面を広げます。
(左)切り口部分に半田ごてを当てて熱が伝わりやすくしてから被膜を溶かす (右)半田部分を広げる
◆ポリエステル線 PEW (2019/12/13)
- ポリエステル系樹脂のワニスを銅線に焼き付けた電線です。
- 耐熱温度は155℃でありハンダの熱で被膜が溶けることはなく、紙ヤスリやカッター等で被膜を削る必要があります。
- 日本橋で売っている「KYOWA」のポリエステル線は1.2mmと1.6mmがあり、ウレタン線よりも濃い色に着色されています。
- ただしメーカーによって着色は違うため、必ずしも濃い色がポリエステル線とは限らず、濃い色のポリウレタン線もあります。
(左)ポリエステル線 (右)ポリウレタン線
◆参考資料
- シリコンハウスのブログ(エナメル線の話
2009/9/20)
- Wikipedia(エナメル線)
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