終段の石選び

(2004/09/11) 1990年頃に21MHzDSB+DC(出力1W)のトランシーバを作った時のことですが、終段の石は何を使ったらいいのかと悩みました。そこでCQ誌やハンドブックなど手持ちの本を開き製作記事を読むと、よく見かけたのは三菱の2SC1971です。当時は日本橋の共立で@500。エミッタが放熱フィンに接続しており、シャーシに直接取り付けて放熱できるため都合の良い石で、その後7、21、50、144SSB送信機で出力1〜7Wの終段に使いました。またQRP機ではミズホのピコ2を参考に2SC2053を100〜300mWの終段としてよく使いました。

私が過去に使った終段の石

 左から 2SC1906,2SC2053,2SC2086,2SC1970,2SC1971

価格は2010年11月8日現在

型番 メーカー 価格 購入先 性能 使用実績(MHz)
2SC1906 日立 \53 サトー電気 fT=1000MHz,Po=100mW程度 144SSB
2SC1970 三菱 \630 サトー電気 Po=1.3W,f=175MHz,Vcc=13.5V,Pi=0.12W 50,144SSB
2SC1971 三菱 \1,260 サトー電気 Po=7W,f=175MHz,Vcc=13.5V,Pi=0.6W 7,21,50,144SSB
2SC2053 三菱 \147 サトー電気 Po=200mW,f=175MHz,Vcc=13.5V,Pi=4mW 50,144SSB
2SC2055 三菱 \168 サトー電気 Po=250mW,f=175MHz,Vcc=7.2V,Pi=10mW 50,144SSB
2SC2078 三洋 \168 サトー電気 Po=4W,f=27MHz,Vcc=12V,Pi=200mW 7,21SSB
2SC2086 三菱 \294 サトー電気 Po=450mW,f=27MHz,Vcc=12V,Pi=15mW 21SSB,50DSB

上の表を見ると三菱が目立ちますが、1つ実績ができるとその前後の型番の石を使うということはよくあります。また2SC2086や2SC1971は「AYO’Sハム機器の製作」で紹介されており、それを見た読者が製作し、その記事がCQ誌等に紹介され有名になったのかなと想像します。またメーカー機に採用された石としては前述の2SC2053や、ナショナルのRJX601に使われた2SC1306も、その後CQ誌等の製作記事に登場しています。誰かが使って実績のある石は他の人にも伝播していくように思います。ただ、同じ石ばかりではつまらないので、TR規格表とサトー電気の価格表を見比べながら、新しい石を開拓することがあります。

<以上>