移動用144/430MHz共用グランドプレーン                       もどる

◆はじめに(2007/05/19)
 移動運用で八木では準備が大変だが、ホイップでは物足りないというとき、組み立て・分解があっという間に出来る移動用GPを作ってみました。2007年度8J3Pでの運用に使い、実績も出来ましたので紹介します。

2007/5/13 8J3P/3 西宮市・東六甲展望台へ移動運用しFT817(1W)にて名古屋市(約170km)と144/430にて59で交信できました。

◆電気的な構造は(2007/05/19)
144MHzでは1/4λ、430MHzでは5/8λとして動作します。

給電部の機械的構造

  1. Φ8×100mmのベークボビンに、直径合わせおよび補強用としてΦ6×50mmのボビンを差し込みます。
  2. ラジエータはΦ2×430mmのピアノ線を使い、ボビンに固定する部分には、Φ4×8mmのスペーサを半田付けしましたが、スペーサがない場合はΦ1のスズメッキ線を巻いて半田あげすればよいでしょう。
  3. ラジアルもΦ2のピアノ線を使い、144用には520mm、430用には170mmに切ったものを2本ずつ準備します。そして先端にDST2-3.5の圧着端子をかしめ、半田付けしておきます。
  4. ベークボビンの先端から40mmの位置に3.2mmの穴を貫通してあけ、そこにM3×30mmのビスと蝶ナットを使い、適当にスペーサを入れてラジアルを固定します。

◆部品表(2007/05/19)

NO 項目 寸法 数量
1 ピアノ線 Φ2×430mm 1
2   Φ2×520mm 2
3   Φ2×170mm 2
4 ベークボビン Φ8×100mm 1
5   Φ6×50mm 1
6 スペーサ Φ6×3mm 3
7   Φ4×8mm 1
8 ビス M3×30mm 1
9 蝶ナット M3 1
10 圧着端子 DST2−3.5 4
11 スズメッキ線 Φ0.8×120mm程 1
12 同軸3D2V 3m 1
13 BNCコネクタ 3D2V用オス 1
14 バインド線 200mm程 1

◆配線方法(2007/05/19)

  1. ベークボビンの先端から40mmの位置に2mmの穴を貫通して開けておきます。
  2. コイルはΦ0.8のスズメッキ線を使い、ラジエータに半田付けしたあと、3回スペース巻きにして、先ほどの穴に通し、1周回して半田付けし固定します。
  3. 同軸3D2Vの先端を図のように加工し、芯線はコイルに半田付け、網線は左右に分け、スペーサに半田付けします。
  4. 同軸はバインド線(タコひもでも良い)でベークボビンに2箇所しばりました。

 4.5m渓流用釣竿の下から6段目の内径が約8mmなので、そこに差し込むだけです。

◆調整方法(2024/7/31)

  1. トランシーバ→SWR計→144/430アンテナ の順に接続します。
  2. 430MHzFMモードで送信し、SWRが下がるようコイルのピッチを調整し、1.5以下になればOKです。
  3. 念のため144でもSWRを確認しておいてください。
  4. 長さどおりに作ればSWRは下がるはずですが、大きく外れる場合は、長さや接続に間違いがないかよく確認してください。
  5. 調整が終われば熱収縮チューブでコイル部分を固定しておきます。
  6. 144MHzではSWR1.2以下、430MHzでは1.05以下のほぼフラットでした。

 

◆収納(2007/05/19)
使い終わればネジを緩めラジアルをラジエータ側に倒し、同軸を束ねればおしまい。長さは渓流用の釣竿56cmとほぼ同じです。また質量は3D2V同軸3m込みで210gになりました。

 

◆おまけ(2007/05/19)
このアンテナは釣竿のポールに固定するように作っていますが、ラジエータの先端にリング状に加工したΦ1のスズメッキ線を半田付けしています。場所によっては木から吊り下げたり、ポールにぶら下げて窓から突き出したりと、使い分けが出来ます。

<完了>