マイクアンプ

◆回路の役割(2005/03/12)
マイクからの音を増幅しバラモジ部に加えるためのもので、SSBトランシーバの音声信号の入り口にあたります。

◆回路の動作(2005/02/12)
下の回路1はコンデンサマイクの使用を前提としており、R1を通じてマイク用の電源としています。回路は基本的な1石のアンプで、マイクと電源をつなぎ、OUT部のクリスタルイヤホンを接続してマイクにしゃべり、素直な音が聞こえれば動作はOKです。音量が足らないと思う場合はR4と並列に電解コンデンサC2をつなぐことでゲインを増加することができ、実験では1000Hzにおいて、4.7μ(3dB),10μ(5dB),100μ(6dB)のゲインの向上がありました。

◆高周波の回り込み対策(2005/02/12)
トランシーバの製作に高周波の回りこみはつきもので、回り込んでいる場合は受信機でモニタしてみると「ガピガピ」と言うような変な音になっており、1つ1つ対策をすることが必要です。

  1. 上の回路ではR5、C5、C6によるデカップリング回路で電源側からの高周波の回り込みを阻止しています。144MHzのSSBトランシーバを作り始めていた当初はこの回路なしで進めていたのですが、高周波の回り込みで苦労し、たまたま入れてみたらピタリと止まったので、以来は欠かせないものとなりました。
  2. 回路図2は入力部にR6とC7のLPFを入れています。これも入力側からの回り込み防止に効果があります。
  3. マイクのコードに高周波が回り込む場合は、アンプの入力部に1mHほどのRFCか、フェライトビーズFB101を数個入れる回路を見かけることがあります。数WまでのQRP機ではそのような回り込みを経験したことはありませんが、1つの手段として覚えておきましょう。

◆周波数特性(2005/02/12)
回路図1(LPFなし)の周波数特性は20kHzまでフラットに伸びています。回路図2は入力部にCとRによる遮断周波数1064HzのLPFを入れたもので、特性は緩やかですが高域になるほどゲインが落ちるようになっています。男性の声の主成分は500Hz前後であり1kHz以上は余り含まれていませんので、高周波の回り込み防止を含めてこのようなLPFを入れておくとトラブルを減らす対策になるでしょう。


◆入出力インピーダンスの測定(2005/02/13)
「定本 トランジスタ回路の設計 鈴木雅臣著 CQ出版」のP45に入出力インピーダンスの測定方法が載っており、詳しい説明は本を読んでいただくとして、とりあえず試行してみます。

◆入力インピーダンスの測定(2005/02/13)
入力端子にAF発振機をつなぎ1000Hz、1Vの交流電圧を加えます。電圧はデジタルテスタのACレンジを使い、104(0.1μ)を介して測定します。SW1=1V、SW2=0.5VになるようVR1と入力電圧を調整し、次にVR1の抵抗値を計ると、それが入力インピーダンスになり、結果は4.7kΩになりました。

◆出力インピーダンスの測定(2005/02/13)
出力端子に交流電圧計をつなぎ、SW2をOFFの状態で1Vになるよう入力電圧を調整します。次にSW2をONにして0.5VになるようVR2を調整すると、そのときのVR2の抵抗値が出力インピーダンスで、4.7kΩになりました。

<完了>