ハンドマイクの風防

◆はじめに(2017/7/21)
風の強い日に運用している局をワッチするとマイクにボコボコという風の音が入っています。録音の世界ではマイク部分にウインドジャマーやスポンジ製の風防をつけて対策をしていますが、無線用のハンドマイクにはどのような風防が良いかを試してみることにします。


風防の材料

◆風防の材料を探す(2017/7/21)
ネットにて「マイク 風防」で検索してみると材料としては @フェイクファー(ぬいぐるみに使う毛足の長い布地) Aスポンジ B厚手のタオル Cフェルト といったものが紹介されていました。@のフェイクファーは効果抜群とのことですが、ハンドマイクに毛足の長い風防をつけるのは実用的でないように思えます。100円ショップにある防寒用ヘッドホン型の耳カバー、イヤホン用のスポンジ製カバー、掃除用のモップ、ハンドタオルなども利用できるようですが、とりあえずは手元にあるフェルトで実験してみます。

用語の説明 : フェイク(fake)→偽の 、ファー(fur)→毛皮またはその製品

 ぬいぐるみに使われているフェイクファー(手芸店のユザワヤで購入可能)

 手芸店(TOHO)で購入した1.5mm厚のフェルト


風防の効果を確かめる

扇風機の風を当てる(2017/7/21)
扇風機の風をマイクに当て風防の効果を確かめます。

  1. 扇風機を回し、イヤホンでボコボコ音がよく聞こえる位置にマイクを置くと低周波電圧計は600mVを表示。
  2. マイクにフェルトを被せると電圧は100mVに下がり、イヤホンで聞いてもボコボコ音は気になりません。
  3. 風防によって音声がどの程度減衰するかを確認するためマイクの前にスピーカーを置いて600Hzの音を出し、風防のあり/なしで出力電圧を確認したところ変化はありませんでした。風防による音声の減衰は気にするレベルではなく、ボコボコ音だけが軽減されたことになります。


風防の作り方(2種類)

◆1.フェルトのみの風防の作り方(2017/7/28)

  1. フェルトを15mm角に切る。
  2. 10mm幅の両面テープを20mm長さに切って中央に4mm程度の三角形の切込みを入れる。
  3. フェルトに両面テープを貼る(切込みが中央になるようにする)
  4. フェルトの周囲にはみ出した両面テープを切る。
  5. フェルトをマイクに貼り付ける。

扇風機の風を当ててみると実験時と同様にボコボコ音が軽減されました。台風や暴風の時にアウトドアで運用することは無いため、まずはこの程度で良いでしょう。

  
(左)15mm角に切ったフェルト (中)切込みをいれた両面テープをフェルトに貼る (右)マイクにフェルトを貼り付ける(風防なし&風防あり)

◆2.保護カバーをつけた風防の作り方(2017/7/28)
マイクにフェルトを貼り付けた場合は長期間使うとはがれてくるかも知れないので、周囲に貼り付けるカバーを考えてみました。

  1. 1.6mm厚プリント基板を16mm角に切り、中央にφ9の穴をあける。
  2. フェルトをφ10程度にハサミで切る。
  3. 幅10mmの両面テープを20mm長に切り、中央に三角形の切込みを入れる。
  4. 両面テープをカバーに貼り付け、周囲にはみ出した部分をハサミで切る。
  5. マイクの穴を中心にカバーを貼り付ける
  6. φ9の穴に丸く切ったフェルトを入れ、上から押さえて両面テープに貼り付ける。

  
(左)カバーを切り出す (中)フェルトを丸く切る (右)カバーに両面テープを貼る

 
(左)カバーをマイクに貼り付ける (右)丸い穴にフェルトを入れる

<完了>