ノイズブランカ

◆はじめに(2009/08/08)
受信中にパリパリと入るパルス性のノイズは耳障りなもので、それをカットする回路として「ノイズブランカ」があります。パルスノイズが入った瞬間だけ次段への信号伝達を遮断し、ノイズを抑圧するものです。50/144SSB機に内蔵させようと思いますが、実際どの程度のものなのか手持ちのピコ2(MX-2)で調べてみました。ノイズ発生源として模型用のモーターを使い、アンテナの近くで回してみるとすごいノイズです。次にNBスイッチを入れると、ゼロにはなりませんが確かにノイズは軽減されました。次にガスコンロの近くに持っていき点火時のパルスを受信すると、パチパチという尖った音がスイッチONで消えました。雷とか車のイグニッションノイズのようなものには使えそうに感じました。

 

◆実際の回路は(2011/01/29)
ミズホ通信のピコ2(MX−2)の回路を参考にしました。ノイズブランカは出来るだけ初段に近い所に入れる方が良いと言われています。フィルタを通すとパルスの波形が鈍り、鋭い動作が出来なくなるようです。

動作としては、MIX段2SK241のドレイン出力を取り、Q1でパルスを増幅し、D1、D2で倍電圧検波をします。その電圧でQ2をON/OFFさせますが、10KΩでバイアスをかけたD3により動作点を0.6Vほど上げています。通常はD4のアノード側(三角形の方)電圧が高いため、カソード側に直流電流が流れ、高周波の信号もOUT側に流れています。パルスが入るとQ2のコレクタ電流が流れ、15KΩの損失によりコレクタ電圧が下がるため、D4のアノード側電圧も下がり、カソード側に直流電流が流れなくなります。その瞬間だけ高周波信号もXfil側に流れなくなり、パルスノイズを抑圧することが出来ます。Q3はAGCとしてQ1のゲイン調整をしているものと思います。

実機で動作を確認(2011/01/29)
ノイズブランカを内蔵した50/144SSB機のアンテナ端子に模型モーターのノイズを加えるとSメータは振り切れますが、NBスイッチをONにすることでSは6まで落ち、ノイズが低減されていることを確認できます。

赤枠内がノイズブランカ回路

<完了>