高周波電圧計2

◆はじめに(2006/10/09)
トランシーバの調整に欠かせない測定器として高周波電圧計があります。発振器の出力が最大になるポイントを探るのが主な目的で、ダイオードとメータ等を組み合わせた簡単なものですが、自作には欠かすことのできない測定器です。呼び名は違いますが「RFプローブ」というセンサー部のみのものがあり、テスターと組み合わせて使いますが、測定中はテスターも大活躍しており、いちいち付け替えるのは面倒なので、メータとセットのものを作りました。


センサー部

測定箇所にセンサーを接続すれば測定側は影響を受けますが、それを出来るだけ少なくしたいため @低インピーダンス用 A高インピーダンス用 の2種類を作ることにします。

◆低インピーダンス用(2006/10/09)

  1. 少ない出力でもメーターが振れるよう、結合コンデンサは1000Pと大きくしています。
  2. ダイオードは1N60などのゲルマニウムかシリコンの場合はショットキーバリアを使ってください。
  3. 万能基板にダイオードとコンデンサで回路を組み、測定部はミノムシクリップを使い接続しやすくしました。
  4. 出力部は50cm長のシールド線でメータ部と接続します。
  5. 配線が終わればセンサー部に熱収縮チューブを被せます。

 センサー部

 熱収縮チューブを被せる

◆高インピーダンス用(2024/5/17)

  1. 高インピーダンス用であり、またV,UHF等の高い周波数用でもあります。
  2. 結合コンデンサは10PFとしました。
  3. ダイオードは1N60などのゲルマニウムかシリコンの場合はショットキーバリアとし、ここでは1SS108を使いました。
  4. 検針は30mm長のφ1.6スズメッキ線を基板に半田付け。
  5. センサ部はφ9×100mmのアルミパイプの中に入れ、アース線をM2ビスナットで接続し、シールド効果を持たす。
  6. 先端部はφ1.6スズメッキ線に1.5D2V外被を被せ、φ9ゴムブッシュでアルミパイプとの隙間を埋める。

 
(左)8×25×1mm厚のガラエポ基板に彫刻刀で溝を入れる (右)部品を半田付け

 センサ部の構造

 センサ部先端

 センサ部全体


◆メータ部(2006/10/09)
テイシンのTB52というW50
×D85×H30のプラスチックケースに、250μAのメータ、100KΩB型のボリューム、イヤホンジャックを取り付けます。メータの穴は糸鋸で大まかに切り、ヤスリで仕上げます。またメータはボンド等の接着剤で固定しても良いですが、私は分解が容易なように1mmのアルミ板を加工し、L型の金具で押さえる構造としました。センサー部とはイヤホンジャックで接続します。

 
              正面                              裏面

◆使い方(2006/10/09)
発振段の出力に検出部を接続し、出力コイルのコアを調整してメータの振れが最大になるよう調整します。メーターが振り切れる場合はボリュームで感度調整してください。

 VXOの出力を測定中

<完了>


参考文献

  1. 高周波回路の設計・製作 鈴木憲次著 CQ出版社