144MHz移動用スリーブアンテナ
◆はじめに(2017/5/19)
先日144MHzSSBトランシーバーと50cmのロッドアンテナを持って移動運用しましたが、日差しが強かったため木陰に入って運用していると突き出した枝が目に入りました。これにぶら下げることができるGPがあれば距離も伸びるかなと思いつき、同軸でスリーブアンテナを作ってみました。使用後に丸めれば直径10cmほどになるため、小さなバッグにも容易に納まります。
◆特徴
- 木陰で運用することを想定し、木の枝にぶら下げて使う
- 使用後は同軸を丸めることで直径10cm程度に納まる
- 質量は135g
◆準備するもの
- 3D2V : 2.8m
- 3D2V用BNCコネクタ(オス) : 1個
- 熱収縮チューブ φ10 : 数cm
- 圧着端子 DST4−5.5 : 1個
- 細い紐 : 1mほど(木の枝にぶら下げる時に使う)
◆作り方
- 同軸の外被を700mmむく
- 網線をずらしながら同軸の外被側に折り返す
- 芯線と網線の長さを図のように切りそろえる(ラジエータの500mm部分は少し長めにしておく)
- 網線の両端に熱収縮チューブをかぶせ、ライター等で加熱し固定する
- 同軸の端にBNCコネクタを取り付ける
作り方の図解

(左)スリーブアンテナの構造 (中)先端の圧着端子 (右)丸めて収納したところ
◆注意点
- 同軸の長さは短縮率を0.67とし右のように計算しました。 L=300÷144.2÷2×0.67×3=2.09m
- スリーブアンテナのインピーダンスはダイポールと同じ75Ω程度であり、50Ωの同軸をつなぐとミスマッチになるためSWRは最良でも1.5です。
- 500mm部分は長めにしておいて芯線を少しずつ切りながらSWRを下げますが1.5〜2であれば良いでしょう。私の場合は図の寸法で144.2MHzにおいてSWR1.5になりました。
- 送信電力のアンテナへの伝達効率はSWR1.5で96.4%、SWR2で89.9%、SWR3で75%になります。
- 長期間使っていると銅の網線が酸化して変色するため、気になる方は熱収縮チューブを網線全体に被せてください。ただし収納時に丸めにくくなると思います。
- ラジエータの長さ調整が終了したら端に圧着端子を固定します。圧着端子と芯線の導体は電気的に接触していません。
◆参考資料
- アンテナハンドブック CQ出版社
- アンテナ製作マニュアル 電波新聞社
<完了>