Sメータを作る もどる
◆はじめに(2000/1/22)、画像差替及び一部改訂(2022/5/20)
Sメータというのはダイヤルと共にリグの正面パネルを飾る重要な部品です。下の画像は1970年代に2000円前後で購入した日置のSメータで、自作人口が多い頃は市販されていましたが、今日ではすでに店頭から姿を消してしまいました。しかし売ってないからと言って機能上やデザイン上で必要なSメータを省略する訳にはいかず、ここはアマチュア精神を発揮して、ラジケータやVUメータをSメータに改造することにします。
日置のSメータ (左)MK38型 (右)R45型
<注釈>
ラジケータとはラジオインジケータの略語です。トランジスタラジオの同調と共に電池残容量表示用として少し高級なラジオに付いていたものでした。OM諸氏は下の画像のような形状のメータをラジケータと呼ぶことがあります。
ラジケータ
◆RSリポート(2022/5/20) (*1)
交信時にはRSリポート交換をしますが、その基準は下の表の通りです。Sメータで信号強度を表示する基準はメーカーで決まっていると思われ、S1つあたり3dBとか6dBとかあるようですが、自作の場合は所持できる測定器に限界があり、簡易的な手法が求められます。
数値 |
R(了解度) |
S(信号強度) |
1 | 了解できない | 微弱でかろうじて了解できる信号 |
2 | かろうじて了解できる | 大変弱い信号 |
3 | かなり困難だが了解できる | 弱い信号 |
4 | 実用上困難なく了解できる | 弱いが受信容易 |
5 | 完全に了解できる | かなり適度な強さの信号 |
6 | - |
適度な強さの信号 |
7 | - |
かなり強い信号 |
8 | - |
強い信号 |
9 | - |
きわめて強い信号 |
◆日置のS目盛りをラジケータに移す(2000/1/22)
日置Sメータと同じ電流値のラジケータの位置に同じS目盛りを打つという考えです。
共立電子で購入したラジケータ(バッテリチェック用と思われる)
10等分目盛りを作り両面テープで貼り付ける
青色はラジケータ5個を測定した平均値(オレンジ色は基準線)
MK38 |
ラジケータ |
|
S目盛 |
電流値目盛(μA) |
10等分目盛 |
1 |
5 |
0.7 |
3 |
17 |
2.3 |
5 |
32 |
4.7 |
7 |
48 |
6.6 |
9 |
67 |
8.1 |
FULL |
100 |
10 |
◆製作1:ラジケータを改造(2000/1/22)
S目盛 |
原点からの寸法(mm) |
1 |
1.7 |
3 |
5.5 |
5 |
11 |
7 |
15.6 |
9 |
19.1 |
FULL |
23.5 |
周囲のセロテープをはがしてラジケータを分解する
(左)プリントした目盛り、メータの特性上3〜5の間隔が伸びています (右)裏面の中央に両面テープを貼る
目盛りを溝に差し込む
両面テープで貼り付ける
透明カバーをかぶせ周囲をセロテープで巻く
◆製作2:VUメータを改造(2004/01/10)
共立電子はVUメータ(250μA @450)も扱っていますので、これもSメータにしてみましょう。
S目盛 |
原点からの角度 |
1 |
4 |
3 |
16 |
5 |
32 |
7 |
46 |
9 |
56 |
FULL |
70 |
(左)VUメータ (右)セロテープをはがしメータを分解する
(左)目盛り裏側の四隅に両面テープを貼り付ける (右)カバーをセロテープで止めて完成
◆製作を終えて(2004/01/10)
針の振れと電流値についてラジケータを5個測定し平均値をグラフ表示しましたが、個体差が10%程ありました。2000〜3000円するメータは高いなと思いますが、正確な数値を表示するという意味で、それなりに値打ちがあるなぁと言うのが今回の実験の感想です。1つ実験して1つ判りました。
<完了>
参考文献(*印)