CW機のスプリアス測定        ホームに戻る

CW機の波形を見てみる(2025/10/17)
QRP機でもDXが出来るCWは無線の原点とも言うべきモードです。スプリアスを測定するには連続キーイングが必要ですが、まずはメーカー機を使ってその波形を見てみましょう。なお、以下の測定に関しては現時点で私が理解している範囲で進めており、理解不足の点があれば今後修正していきます。

 JARDの資料より

無線設備規則 第一章 第二節 第七条 別表第三号(令和5年12月22日施行) から抜粋

今回の測定は下表の赤字部が該当

基本周波数帯、モード

空中線電力

帯域外領域

スプリアス領域

BN(必要周波数帯)

±2.5BN

30MHz以下
(41項にアマチュア用の例外規定あり)

1W〜5W

50mW以下かつ40dB

50μW以下

4kHz未満

±10kHz

1W以下

100μW以下

50〜54MHz

1W50W

1mW以下かつ60dB

60dB

25kHz未満

±62.5kHz

1W以下

100μW以下

50μW以下

144〜146MHz

1W〜50W

1mW以下かつ60dB

60dB

1W以下

100μW以下

50μW以下

430440MHz
(10
項にアマチュア用の例外規定あり)

1W50W

1mW以下かつ60dB

60dB

1W以下

100μW以下

50μW以下

不要発射測定周波数範囲

送信周波数の範囲

測定周波数範囲

9kHz〜100MHz

9kHz〜1GHz

100MHz300MHz

9kHz〜第10高調波

300MHz600MHz

30MHz3GHz

600MHz5.2GHz

30MHz〜第5高調波

測定系統図(2025/10/17)


帯域外領域

◆帯域外領域の測定(2025/10/17)

  1. FT817は 7MHz、CW、 L3(2.5W)に設定し、周波数は7.020MHzとする。
  2. FT817→BNC/SMA変換コネクタ→40dBアッテネータ→SMAケーブル→スペアナ の順に接続する。
  3. スペアナは7.020MHzを中心に±10kHz(7.010MHz〜7.030MHz)を表示するよう設定する。
  4. 帯域外領域では6T=7.02141MHzの-66.3dBm(2.3μW)が最大であり、34dBm-(-66.3dBm)=100.3dBc となり規格内に入りました。

測定環境

スプリアス

周波数

電波形式

搬送波電力

必要周波数帯幅

帯域外領域

RBW

アッテネータ

周波数

強度

規格限度値

判定

7.020MHz

A1A

2.5W (34dBm)

4kHz

±10kHz

200Hz

40dB

7.01276MHz

2.3μW、100.3dBc

50mW以下かつ40dB

適合

 帯域外領域


スプリアス領域

変調信号源の準備(2025/10/17)
搬送波の出しっぱなしでも良いような気はしますが、変調=キーイングとのことで、チャタリングがあればスプリアスが出るので、それを測定することが必要なようです。

  1. FT817では内蔵エレキーを使い、最高速度の60wpmに設定しました。
  2. 電鍵外付けの場合は25ボー(1秒間に25回ON/OFFする)とのことですが、縦ぶれ電鍵しか持ってない人は無理ですよね。hi

スプリアス領域の測定(2025/10/17)

  1. FT817を7MHzCW(出力はL3=2.5W)、周波数は7.020MHzに設定する。
  2. FT817→BNC/SMA変換コネクタ→40dBアッテネータ→スペアナ の順に接続する。
  3. FT817をCWモードにし、内蔵エレキーのキーイングスピードを最高速度(60wpm)に設定し、長点を出し続ける。(短点ではうまくデータが取れなかった)
  4. スプリアスとしては3T=233.7MHzが-60.9dBm(8.1μW)で観測できました。

測定環境

スプリアス

周波数帯

電波形式

搬送波電力

測定周波数範囲

アッテネータ

周波数

強度

規格限度値

判定

7.020MHz

A1A

2.5W (34dBm)

9kHz1GHz

40dB

233.7MHz

8.1μW

50μW以下

適合

 スプリアス領域

<完了>


参考資料

  1. 総務省無線設備規則
  2. JARDのスプリアスに関する資料
  3. CQ出版社 ダウンロードサイト 疑似音声発生器の製作
  4. ITU-T G.277準拠疑似音声発生サイト