SSBトランシーバとは(2006/11/11)

トランシーバ Transceiver とは Transmitter(送信機) Receiver(受信機) を合体した造語です。アマチュア無線の機器がAMだった時代は、送信機と受信機は別々に作り、CQを出す相手局にキャリブレーションを取り(周波数を合わせ)、それからおもむろにコールするという、ゆったりとした時代だったのです。ところがSSBの時代になり、高価なフィルタ(メカニカルフィルタやクリスタルフィルタ)を送信部と受信部で共有するトランシーバになり、相手局に同調をとればそれが送信周波数となって、スピーディーな通信方式に変わっていきました。

 図1

図1はトランシーバのブロックダイヤグラムです。ここではM〜Sの部分を送信部と受信部で共用しています。また呼び名は違いますがA、B、Fでは周波数を混合・変換し、目的の周波数を作っています。

送信部の働き

  1. 音声は低域から高域まで周波数の幅がありますが、ここでは中心の1.5kHzとします。

  2. 音声は@のマイクアンプで増幅され、Aの平衡変調器でOからの局発周波数8.9985MHzと混合し、9MHzのDSB(搬送波を押さえたUSBとLSB)信号を作ります。

  3. NのフィルタでDSB信号のうち片側のUSB部のみ通してBの周波数変換部に加えます。片側だけなので、これをSSB(シングルサイドバンド)といいます。

  4. この9MHzとVXOからの41MHzをMの周波数変換部で混合して50MHzのSSB信号を作り、その後CDで信号を増幅します。

受信部の働き

  1. Eからの50MHzSSBの信号とMVXOからの41MHzの搬送波を混合し、50−41=9MHzのSSB信号を作ります。

  2. Nの狭帯域フィルタで 9MHzを中心とした2.4kHz幅の信号を通過させます。

  3. 9MHzのSSB信号はGで増幅され、Hの検波部でOからの信号と混合し、1.5kHzを中心とした音声周波数(300〜2700Hz)を作ります。

  4. その後、低周波増幅と電力増幅を行ってスピーカを鳴らします。

<完了>