トランシーバに使う部品

■ はじめに (2005/02/06)
バラバラに持っていればただの部品も、それらを組み合わせ適切な条件で使ってやると、遠くの人と話ができるという、本当に驚くべき性能を発揮してくれます。このページではトランシーバを作るための部品を紹介します。


抵抗 (2005/02/06)
バラで買うと1本10円程度しますが、私は秋月で100本100円の袋詰めを買っています。以前は1/4Wを主に使っていましたが、現在は1/6Wのものに切り替えました。半固定抵抗はゼロ点調整をしたり、バイアス電流を最適値に設定するなど様々な用途に使います。

 
    上:1/6W 、下:1/4W              半固定抵抗

コンデンサ (2005/02/05)
1PF〜0.1μF未満はセラミックコンデンサ、0.1μFは積層セラミック、プリント基板のパスコンとして0.01μFのチップコン、1μF以上はタンタルか、電解コンデンサを使っています。パスコンとして一番よく使う0.01μで直径4mm程度の小型のものは、サトー電気で100本620円で売っています。また発振回路に使う温度補償用のセラミックコンデンサは、0ppm/℃(黒)、−230ppm/℃(黄色)、−470ppm/℃(青)は共立電子にて@20で購入します。

 
   セラミックコン、チップコン        タンタルコン、電解コン(ケミコン)

バリコン、トリマ (2005/02/06)
現在手に入るバリコンはサトー電気の通販でポリバリ(20P×2 3個1000円)ですが、大阪・日本橋のデジットでは3連のFM用エアーバリコン@380を売っています。ポリバリは長い間使っていると中にゴミが入るのか、SSB機で同調をとるとバリバリと言った感じになることがあり、消耗部品として割り切って考えるのが良いように思います。長期的な利用には強度の面も含め、エアバリを推奨します。セラミックトリマは高周波回路の同調を取るには欠かせないもので、ファイナル部やBPF部に使っています。

 
     左:ポリバリ 右:エアバリ         セラミックトリマ  左から5mm、7mm、10mm

コイル (2005/02/05)
7kのボビン、ケース、コアのセットはサトー電気で扱っています。これに0.1mmのウレタン線を巻いて必要なインダクタンスを得ます。以前は5個390円でしたが、最近は5個500円と値上がりしているのが気になりますね。またトロイダルコアはアミドンのものが入手容易です。必要なインダクタンスの巻き数が、計算でキッチリ出るのはありがたいですね。アミドンは製造会社ではなく商社の名前だとか聞きました。

 
          7Kコイル             上左:T37-2  上右:T25-2  下:マイクロインダクタ

ウレタン線(UEW) (2005/02/05)
直径0.26mm以上のウレタン線は普通のパーツ屋で購入できますが、それ以下はオヤイデ電気で買っています。ウレタン線は半田ごての熱で被覆が溶けるため、エナメル線のようにナイフ等で被覆をはがす手間がありません。

ビニール線、シールド線 (2005/02/06)
部品間をつなぐ配線材は、人間の体で言えば神経か血管のようなものです。私はトランシーバの配線をする場合、送信部(青)、受信部(赤)、共通部(黄色)の3色に色分けして、配線後のチェックを容易にしています。また高周波が流れる部分で配線が長くなる場合は、同軸(0.8QEV)を使います。

 
          ビニール線                   シールド線、同軸(0.8QEV)

TR、FET (2005/02/06)

  1. 2SC2458 : 2SC1815の小型パッケージ版で、低周波から高周波までどこにでも使える便利なTRです。
  2. 2SC1906 : fTが1000MHzで、VXOの発振段やその後の逓倍段や送信部のドライブ段によく使います。
  3. 2SC2053 : 出力200mW程度のファイナル部や、1W機のドライブ段に使っています。
  4. 2SC1970 : HF〜VHFまで、出力1W程度までで使います。
  5. 2SC1971 : HF〜VHFまで、出力5W程度までで使います。
  6. 2SK241  : 50MHzまでの高周波増幅部に使用。
  7. 2SK439  : 144MHzの高周波増幅部に使用、カタログでは2SK241に比べ100MHzで2dBの差ですが、
              144ではSにして1〜2は良くなり、明らかな差があります。
  8. 3SK51   : デュアルゲートFETで、秋月にて@80で購入しました。AGCが必要な高周波、中間周波増幅部に使います。

 
2SK241,2SK439,3SK51,2SC2458,2SC1905,2SC2053      2SC1971,2SC1970

IC (2005/02/06)
スピーカを鳴らすために使うLM386は、製作記事を読んでも実に多く使われています。外付け部品が少なく使いやすいICです。バラモジ用のSN16913はピコに使われて以来、多くの製作記事に登場しましたが、すでに入手不能となりました。

3端子レギュレータは入力電圧が変動しても一定電圧を出力するICで、50〜100mAのものが@50程度で気楽に使えます。入出力部には0.1μのパスコンを接続して、回路の発振防止に努めましょう。また78Lシリーズでは出力電圧+1.5Vほどの入力電圧が必要となっています。

 
 左:SN16913、右:LM386           3端子レギュレータ

ダイオード (2005/02/05)
ゲルマダイオードやショットキーバリヤダイオードは検波用やバラモジ用に使います。シリコンダイオードは送受切替のスイッチング用や、ファイナル回路のバイアス部に使っています。またアンテナ切り替えに使うPINダイオードMI301は、PN間の容量が小さいものです。

 左から:10D1,1S1588,1SS99,1N60

LED (2005/02/05)
室内で使うリグには赤、緑、黄で@30程度の一般的なものに5〜10mAほど流して使っていますが、屋外で使う移動用トランシーバには、@200程で高価ですが高輝度LEDに1mAほど流して使っています。高輝度LEDを使う理由は、太陽光の下でも点いているのがよく判るからです。高輝度LEDの価格にもいろいろありますが、値段の高いLEDは明るく、安いLEDは高輝度とは言いながらもそれほど明るくない、というのが実感です。真空管の時代は豆球に100mAほど流していたのに対し、僅か1mAでチカリと光るのは、隔世の感がしますね。

 
          普通LED                        高輝度LED(左から 赤、白、緑、黄、青)

水晶 (2005/02/05)
1個100円程度のHC18/UやHC49/Uは、池田電子やサトー電気で購入しています。VXOに使う水晶はアルト電子か川崎電波に特注しています。

減速機 (2005/02/05)
同調をとりやすくするための減速機構として現在入手できるのはバーニヤダイヤルです。また以前はボール減速機がありましたが、これはすでに国内では入手が出来なくなりました。ただし海外では軸径6.2mmのものがあるようで、ツマミの内径を広げて使っている方もみえます。

 ボール減速機 左(4.5:1) 右(6:1)

Sメータ (2005/02/05)
小型のSメータは日本橋のデジットで@250で購入しました。小型のトランシーバにはちょうどよいサイズですが、もう少し大きいサイズが欲しい場合は、目盛りを自作し、バッテリチェッカ用のメータやVUメータに貼り付けて使っています。

  (左)市販のSメータ (右)バッテリチェッカ用メータにSメータの目盛りを貼ったもの

ボリューム (2005/02/05)
市販性のあるφ16のボリュームを使用しています。移動用トランシーバの電源にスナップスイッチなどを使うと、何かに触って電源が入ってしまう恐れがあります。しかし、下の写真にあるようなS付きのボリュームを使えば回転式のため、間違ってスイッチの入る事はありません。

 左:スイッチ付き 右:スイッチなし

コネクタ類 (2005/02/05)

  1. 電源系は中心の+電極が2.1mmのものを使っています。
  2. マイク用は3mmで2芯のもの、イヤホン用は同じく3mmで1芯のものを採用しています。
  3. アンテナ系は全てBNCに統一しています。これはインピーダンスが50Ωであることと、取り付け取り外しが容易なためです。

 
           電源用コネクタ                マイク、イヤホン用       アンテナ用BNCコネクタ

スイッチ (2005/02/05)
スナップスイッチ、スライドスイッチ、シーソースイッチ、押しボタンと形式は様々ですが、6mmの取り付け穴1個で済むスナップスイッチを一番良く使っています。1個200円前後ですが、カチッと入れる時の感触のよいものを店で確認してから買っています。時々安いものを見かけますが、感触が悪いと後々まで後悔の種になってしまいます。hi

ツマミ (2005/02/05)
ツマミも様々な種類がありますが、リグの顔になる部分でもあり、好みに合わせて使ってください。

スピーカ (2005/02/05)
リグに内蔵するスピーカーとしては口径50mm以上のものを使いたいところですが、小型リグでスペースがとれない場合は30mmほどのものを使うことがあります。

ネジ類 (2005/02/06)
一番よく使うものは直径3mmの鍋小ネジですが、それ以外でも用途に合わせて 直径2、2.6、4mmがあり、頭の形状や長さ違いがあるため、数10種類を使い分けていることになります。更にワッシャやらスペーサやらがあり、100円ショップで買った仕切り付きのケースに仕分けています。

 

<完了>