テレビ用ループアンテナ

◆はじめに(2018/9/28)
 9月4日に襲来した台風21号で屋根の修理が必要になりました。棟には20数年前に設置したアナログ用のVHFとUHFのテレビアンテナがまたがっており、地デジに切り替わった今でもUHFアンテナで神戸の摩耶山にある送信所の電波が受信できるため使っています。しかし近いうちには棟の工事があるため、この際長年使ってきた八木アンテナは撤去し、別のアンテナを設置してみようと思いました。業者さんに頼めば平面アンテナなどスッキリした製品もあるのでしょうが、屋根の修理費用を捻出することが必要でもあり、またテレビの送信所がある生駒山とは直線距離31kmで途中に障害物がないため、簡単なアンテナでも受信できるのではないかと、まずは試行してみることにしました。

 台風で被害を受けた棟と屋根に残るアナログTV用八木アンテナ

◆試しに作ってみる(2018/9/28)

準備するもの

  1. 60cm程度の針金(ビニール線、エナメル線、アルミ線など)
  2. 同軸(3C2Vなど75Ωのもの)
  3. TV用のF型コネクタ

図のようなものを作り、アンテナを窓際に持っていき、方向を変えながらテレビが受信できるかどうか確認してください。電波の状態は(SHARPの場合) メニュー → 本体設定 → アンテナ設定 → 受信強度で最大値と最小値が表示され60以上ならOKですが、我が家では各チャンネルとも70〜95で受信可能レベルでした。

◆TV用ループアンテナの製作(2018/10/5)

  1. 関西では473〜539MHzの間に各チャンネルが割り振られています。設計周波数(と言うほどたいしたものではありませんが)は中間の506MHzとしました。
  2. アンテナの計算式からループアンテナのエレメント長は1λの 300/506=0.59m となります。(周波数設定がかなりラフなので、短縮率は無視します)
  3. ループアンテナのインピーダンスは100Ωで、それに75Ωの同軸をつないでいますがマッチングは気にしていません。

◆準備するもの(2018/10/5)

  1. Φ2のアルミ線70cm程
  2. 75Ωの同軸S4CFBをテレビからアンテナまでの長さ分
  3. TV用コネクタ(TVのアンテナ端子に合う物)
  4. 圧着端子(突き合わせスリーブ B−2)
  5. スパイラルチューブ(直径5mmほど)
  6. 塩ビの水道管(VP13 50cmほど)
  7. シリコン充填剤(バスボンド)
  8. 自己融着テープ(20cmほど)
  9. 結束バンド(3本)

 使用する同軸は低損失のS4CFB

◆製作費用(2018/10/5)
新規購入した同軸以外は手持ちの部品を使っているので、おおよその価格です。

  1. 同軸S4CFB 10m      : 987円
  2. 水道管(VP13)         : 150円
  3. φ2アルミ線 70cm      : 30円
  4. B−2圧着端子(2個)      : 20円
  5. F型コネクタ            : 150円
  6. その他(テープや充填剤など) : 30円

合計 1400円程度

製作手順(2018/10/5)

  1. φ2のアルミ線直径20cm程度の丸い物(私の場合は円筒状のゴミ箱)に沿って曲げ、端部を1cmほど直角に折り曲げる。
  2. 同軸の芯線と外被を1cmほどむく。
  3. エレメントと同軸を圧着端子(B-2)で接続する
  4. 芯線側にスパイラルチューブを巻いて外被側とショートしないようにする。
  5. 金ノコ等で水道管の端に幅2mm深さ5mmほどのスリワリを入れる。
  6. ループアンテナの接続部を水道管の中に入れる。
  7. 接続部にバスボンドを充填し防水処理をする。
  8. バスボンドの上から自己融着テープを巻いて保護する。

 丸く曲げたエレメントの端部を1cmほど直角に折り曲げる

 圧着端子(突き合わせスリーブ B−2)

 圧着端子を使ってエレメントと同軸を接続する

 スパイラルチューブで芯線側を覆う

 水道管の端部にスリワリ(幅2×深さ5mm)を入れる

 同軸を水道管の中に通す

 エレメント部をスリワリに入れる

 バスボンドを端部に充填して防水処理をする

 自己融着テープで保護

◆アンテナの設置と受信結果(2018/10/12)

  1. ループアンテナのポールは2階ベランダのエアコン室外機の枠に結束バンドで固定しました。
  2. ビームというほどの指向性はありませんが、8の字特性のおおよその向きを東南東方向の生駒山に合わせています。
  3. 同軸の端にはF型コネクタを取り付けテレビにつなぎます。
  4. 屋外から室内に同軸を通す壁の穴はエアコンの穴を利用。
  5. 受信状況は既存の八木アンテナと比べて遜色ありませんが、ひとえに電界強度によるもので、ゲイン不足の場合は八木アンテナ等を作ることが必要になります。

 2階ベランダのエアコン室外機の枠にポールを固定

<完了>