バリキャップによるVXO
◆はじめに(2008/04/27)
VXOに使うエアバリコンが手に入り難くなり、ポリバリコンがよく使われるようになりました。一時期サトー電気の通販から姿が消えたものの、最近は中国製が供給されるようになり、一段落の間があります。小型であることとFM用であれば周波数が等間隔に表示されるメリットがありますが、長く使ったものはポリバリを回すとスピーカから”ザラザラ”といった感じのノイズが出て、静電気によるものなのか、あるいはゴミが噛んでいるのか、いずれにしても不快な音です。これは長く使ったAMラジオでも同じ現象があり、ポリバリの宿命なのかも知れません。バリコンの代わりにバリキャップを使うという手はありますが、いくつかの短所があり、不安定な感じがするものをトランシーバの心臓部に使うのは抵抗感があります。しかしいずれ来るバリコン入手難時代(?)に備え、今からバリキャップの可能性を探っておこうかと、実験を進めることにしました。
実験風景
◆手に入りやすいバリキャップは(2008/05/31)
ダイオード規格表を見れば、バリキャップの種類はゴマンとありますが、実際に手に入りやすいものは何かと通販数社を調べてみると、悲しいかな東芝の1SV101,1SV149の2種類になってしまいます。本当に欲しいバリキャップは周波数直線性がよく、0Vで30PF程度、5Vで数PFになるもので、規格表からは20種類程度見つかるのですが、手に入らなくてはどうにもなりませんね。
1SV101 : FMチューナ用、3Vで28PF、9Vで12PF
1SV149 : AMチューナ用、1Vで435PF、8Vで19.9PF
◆回路を組んで実験しましょう(2008/05/31)
一般的なVXO回路で実験を進めます。実験に使った50MHzのトランシーバは、18MHzのVXO基本波を2逓倍して36MHz、中間周波数14.318MHzのもので、VXOのバリコンが最小値になった場合、上端周波数は14.318+36−α(通常のストレーキャパシティ)=50.300MHz程度になるはずです。しかしバリキャップに9Vの電圧をかけても、バリキャップ1個の回路1では十分に容量が下がらず、上端の周波数は1SV101で50.270MHz、1SV149では50.256MHzとなりました。回路2は同じ型式のバリキャップを2個使ったもので、上端の周波数は1SV101で50.300MHz、1SV149では50.290MHzとなり、この程度なら許せるかなという感じです。周波数特性はバリキャップの型式によって随分違い、どちらを取るかは好み次第ですが、私はとりあえず1SV149×2個の回路で、しばらく使ってみようと思います。抵抗R1の役割はVcap2に溜まった電荷を放電するためのもので、これが無いとチューニングした後でも周波数がジワジワと変化し、とても使えたものではありません。R1は25kΩ以下になるとVXOの発振が止まってしまうため、100KΩとしました。
実験に使った10回転のヘリポット(10KΩ)
<完了>