7MHz小型アンテナチューナ
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◆はじめに(2022/8/5)
7MHzの短縮ホイップを作りましたが、建物やアース線の張り方によって影響を受けSWRが変化します。1/4λの10mを1.5mに縮めたためコイル部分の占める割合が大きく、バンド幅の狭い特性となり、周囲の状況でSWRが急激に悪化するため、小型のアンテナチューナーがあったらいいなと思いました。
7MHz短縮ホイップのSWR特性 (青色)ロッドアンテナを一杯伸ばして測定、(オレンジ色)10mm縮めて測定、(グレー)20o縮めて測定
◆回路構成(2022/8/5)
- 基本的な構成はLED消灯型アンテナチューナーを踏襲し、7MHzに特化するためコイルのタップ切り替えは省略します。
- 51Ωの抵抗でホイートストンブリッジを組み、チューナ部のインピーダンスが51Ωになってバランスが取れた時に検出部のLEDが消灯し、バランスが崩れると検出部に電圧が発生してLEDが点灯する仕組みです。
- 使用する抵抗は酸化金属被膜の51Ω1Wです。ブリッジのバランスが取れた時は、51+51=102Ω1W抵抗の並列接続となって51Ω2Wの抵抗になるため、入力電力は数W以内に収め、手早く調整することが必要です。
- 理想的には50Ωの抵抗を使いたいところで、100Ωの抵抗を2本並列接続する方法があるため、そこはご自身で判断してください。
- アンテナチューナー部は「π-C型」という一般的な回路で、2個のポリバリコンを調整してブリッジのバランスを取ります。
- アンテナ側の端子はBNCですが、ワイヤー系のアンテナも使えるよう陸式ターミナルを付けておきました。
- ポリバリコンは耐圧が低いため、使用できる電力は数W以内にしてください。
◆構造設計(2022/8/5)
部品を配置して配線経路を考え、それに合わせてケースの大きさを決めました。サイズは幅60×高さ70×奥行25mmとし1mmのアルミ板で作ります。
構想図
◆検出部の基板(2022/8/12)
- 検出部については紙フェノール(ベーク)基板を18×26mmに切り出し、彫刻刀で縦1本横3本の溝を入れて8個のブロックを作り、そこに部品を半田付けします。
- 基板は両面テープでケースに貼り付けます。
検出部の基板
外観
内部の様子
◆操作方法(2022/8/12)
- TX端子と送信機を同軸で結び、ANT端子にはアンテナをつなぎます。
- SW1をSET側に倒し、送信機からキャリヤを出すとLEDが光ります。
- TUN1とTUN2のツマミを手早く回してLEDが消えるようにします。
- SW1をOPR側に倒して運用します。
ケースに貼り付けた操作方法のシール
BNC
P-Pコネクタを使って7H4機のアンテナ端子に直接取り付け、その上に7MHz短縮ホイップを接続した例
◆使用可能周波数(2022/8/12)
FT-817NDに7MHzのダイポールをつなぎ、無理やり合わせてみたところ7〜14MHzの範囲で使えることが判りました。3.5や18MHzでは使えません。
<完了>
参考文献
- LED消灯型アンテナチューナーの製作 JA1BVA 齊藤正昭 CQham
radio 2006年1月号 P96-101