減衰極付LPF ホームに戻る
◆はじめに(2025/7/11)
スプリアス対策として送信機の出力段にLPFを入れますが、3次以上の高調波は抑圧できても、2次の高調波が残ってしまうことがありました。多段LPFの中の1段に減衰極を入れると特定周波数を減衰させることが出来るため、実験を進めてみましょう。
◆減衰極とは(2025/7/11)
- LPFの設計周波数より上で、大きく減衰する点(下図のfp)を設定する事ができ、それを減衰極と言います。
- 減衰極より高域では特性が悪化するため、単体で用いるのではなく、多段接続のどこかの段で用いるのが効果的です。
特性線図
◆減衰極の計算(2025/7/11)

◆回路実験(2025/7/11)
- 7MHzの水晶発振器を組み、出力部にはインピーダンスの整合を取るため-3dBのアッテネータを入れます。
- 減衰極なしのLPFあるいは減衰極ありのLPFを選択し、スプリアスの抑圧状況を測定します。

実験風景
◆波形観測(2025/7/11)
- スペアナの入力端子には30dBの固定アッテネータを入れました。
- 7MHzの水晶発振器を発振させ、スペアナの入力端子をA,B,Cの各点に接続し、その時の波形を観測します。
- 水晶発振器出力のA点では多くの高調波が現れました。
- 減衰極なしのLPF出力部では14MHzの2次高調波が48.7dBcで残り、それ以上の高調波はノイズに埋もれています。
- 減衰極ありのLPF出力部では2次高調波も消えました。
A点:水晶発振器出力部
B点:LPF出力部
C点:減衰極付きLPF出力部
<完了>
参考文献
- トロイダルコア活用百科 山村英穂著
CQ出版社
- 高周波回路の摂家・製作 鈴木憲次著 CQ出版社