NanoVNA            ホームに戻る

◆はじめに(2026/5/29)
コロナが流行る前頃にNanoVNAという名前を初めて聞いたものの、当時は入手困難であったとか、変なメーカーから買うと品質の悪いものをつかまされるとかも聞き、手を出さず仕舞で日にちが過ぎました。その後も評判は良いためアマゾンにて「XEAST」という企業のNanoVNA-H4(4インチ)8,699円(送料込み)を注文すると、当日夜には届きました。NanoVNAにはいくつものバージョンがありますが、ここで紹介する操作手順はNanoVNA-H4(Zeeko社 Model:ZN401)に関しての記述です。

豊富な機能(2026/5/29)
VNA=ベクトル・ネットワーク・アナライザという名前の通り、SWR以外にもスミスチャート表示やフィルタの特性を調べたり、LCRメータとしても使えるなど機能は豊富です。しかしとりあえずは430MHzアンテナのSWRを測定したく、まずはそこからスタートします。

解説本の購入(2026/5/29)
ネットを見れば海外を含めて様々な解説はありますが、手元に一冊置いて繰り返し読みたいため「
NanoVNA活用ガイド」2,860円を同時に買いました。NanoVNAを買ってすぐに使い始めようとした時、解説本だけでは説明が不足していると感じた部分を追加し、基本的な操作を解説するためにこのページを作りました。


事前準備

◆3種類のコネクタ(2026/5/29)
NanoVNAを使うには測定誤差を少なくするため校正(キャリブレーション)をすることが必要です。箱の中には3つの部品が入っていますが、始めて見るとそれが何なのか説明もなく分かりにくく感じました。

  1. OPEN(∞Ω):ピンが無く中が空洞のものです。
  2. SHORT(0Ω):ピンと外周が金属でつながっています。
  3. LOAD(50Ω)::ピンが絶縁されており、端部が出っ張っています。

分かりにくければテスターで導通を確認すると良いでしょう。

 3種類のコネクタ

◆PORT1にアンテナをつなぐ(2026/5/29)

  1. SWRを測定する時はPORT1につなぎ、フィルタの特性を調べる時はPORT2も使います。
  2. いずれもSMAコネクタなので、実際に接続する時はM型とかBNC型とかの変換コネクタを準備しておきましょう。

  (左)PORT1と2のSMAコネクタ (右)SMA/BNC変換コネクタ

◆キャリブレーションの方法(2026/5/29)
正確な測定をするためにはキャリブレーション(校正)が必要です。よく測定する帯域は校正後に登録しておくと、毎回校正しなくて済みます。ここでは例として測定範囲を430〜440MHzとします。

  1. 電源を入れる
  2. パネルをタッチ STIMULUS→START→430M
  3. パネルをタッチ STOP→440M
  4. パネルをタッチ BACK→CALIBRATE→CALIBRATE
  5. PORT1にOPEN(∞Ω)を接続 OPEN をタッチするとチェックマークが入る。
  6. PORT1にSHORT(0Ω)を接続 SHORT をタッチするとチェックマークが入る。
  7. PORT1にLOAD(50Ω)を接続 LOAD をタッチするとチェックマークが入る。
  8. PORT1のLOAD(50Ω)を外してPORT2に接続し ISOLN をタッチするとチェックマークが入る。
  9. PORT1とPORT2に附属の同軸ケーブルを接続し THRU をタッチするとチェックマークが入る。
  10. DONE をタッチする。
  11. Empty1 をタッチして校正データを保存すると 430MHz/440MHz が2段表示され、以降はRECALLで呼び出すことで毎回キャリブレーションをしなくても済みます。

キャリブレーションの確認(2026/5/29)
PORT1に3つのコネクタを順次接続し、マーカー1(緑色)の位置で正しくキャリブレーションが行われたかをスミスチャートで確認します。リアクタンス分を含まない純抵抗であるため、中央のラインに沿って0→50→∞と移動します。

 0Ω(SHORT)

 50Ω(LOAD)

 ∞Ω(OPEN)


SWRの測定

SWR計のように針の振れ位置で共振を確認するのではなく、指定した周波数範囲のSWRが一目で分かり、アンテナの位置や身体との距離によってもSWRが影響されるのを動的に確認でき体感的に理解が進みます。

SWRの測定(2026/6/5)
430MHz移動用3エレ八木の特性を調べてみます。画面にいろいろな線図が現れると分かりにくいので、SWR(黄色)のみ表示するようにしました。

  1. 電源を入れる。
  2. PORT1にアンテナを接続する。
  3. パネルをタッチ RECALL→430MHz/440MHz→BACK
  4. DISPLAY→FORMAT S11(REFL)→SWR→BACK→TRACE→TRACE1(水色),TRACE2(緑),TRACE3(マゼンタ)を2度づつタッチして表示を消すとSWRを示すTRACE0(黄色)のみ画面に表示される。

SWR最低値の位置を知りたい場合は次の操作をする MARKER→SELECT MARKER→MARKER1→SEARCH MINIMUM

 PORT1にアンテナを接続


430MHz移動用3エレ八木のSWR特性(START=430MHz、STOP=440MHz)、スミスチャートを表示するためTRACE2(緑)をONにしました。

 144/430MHz移動用GPのSWR(START=100MHz、STOP=500MHz)

 144MHz 1/2λ電圧給電ロッドアンテナ(START=144MHz、STOP=146MHz)


フィルタの測定

◆接続端子の製作測定(2026/6/12)
フィルタに接続するため、下の様な端子を2個作りました。

 

◆10.7MHzセラミックフィルタの特性(2026/6/12)
FMラジオ用のセラミックフィルタの特性を調べます。3端子の中央がグランド、左右が入出力端子で、ここにPORT1とPORT2をつなぎ、10.7MHzを中心に2MHzの帯域を観測します。なお、整合用の抵抗は入れてません。

  1. 電源を入れる
  2. パネルをタッチ DISPLAY→TRACE→TRACE0(黄色),TRACE2(緑),TRACE3(マゼンタ)を2度づつタッチして表示を消すとTRACE1(水色)のみ画面に表示される。
  3. BACK→BACK→STIMULUS→CENTER→10.7M
  4. パネルをタッチ SPAN→2M

 
(左)FMラジオ用の3端子セラミックフィルタ (右)フィルタの特性を測定

 10.7MHzセラミックフィルタの特性

◆LPFの特性を見る(2026/6/12)
カットオフ周波数7.2MHzで設計したLPFの特性です。

  1. 電源を入れる
  2. パネルをタッチ DISPLAY→TRACE→TRACE0(黄色),TRACE2(緑),TRACE3(マゼンタ)を2度づつタッチして表示を消すとTRACE1(水色)のみ画面に表示される。
  3. BACK→BACK→STIMULUS→START→1M→STOP→30M

 

 カットオフ周波数7.2MHzのLPF特性

<続く>


参考文献

  1. NanoVNA活用ガイド 大井克己著 CQ出版社
  2. アンテナ・ハンドブック CQ出版社