SWRメータ                                       もどる

◆はじめに(2022/5/27)
SWRメータの検出部につきCM型2種とSWRブリッジにつき実験をしたところ、CM型は50MHzまでは実用になるものの、144MHzでは周波数特性が悪くて使えるレベルではありませんでした。しかし後日サトー電気でトロイダルコアのFT37-77を購入しFT50-77と交換してみると、144MHzでも十分使えることが判りました。

M結合部のポイント(2022/5/27)
FT50-77では周波数特性が悪かったのにFT37-77で良くなったのは、トロイダルコアとそこを貫通させる同軸との隙間の影響ではないかと思いました。それぞれのコアに0.5UEWを10回巻き、貫通させた1.5D2V(外被径3mm)との隙間を調べたところ、FT50-77では2o(コイル内径=5mm)に対し、FT37-77は密着状態(同軸を押し込んで入れる)で、どうもこの辺りに原因がありそうです。なお透磁率はμ=2000でいずれも同じ材質です。

 10回巻きトロイダルコア2種と同軸1.5D2V

◆CM型検出部2種の選択(2022/5/27)
CM型検出部については2種類の実験をしましたが、FCZ研の方が部品数が少なく特性がそろいやすいので、こちらの回路を採用します。

試作機で評価(2022/5/27)

  1. 50Ωのダミーロードと送信機をつなぎ、144MHzで針の振れが最低になるようトリマの調整をしたところ、144MHzでSWR1.0、7MHzで1.05という結果が出ました。
  2. 21MHzでSWR1.03というのは針がわずかに振れたという意味で、数値を読み取っているわけではありません。
  3. トロイダルコアのサイズを小さくし、同軸との隙間を減らしたところその効果は大きく、144MHzまでは十分に使えるレベルです。
  4. ただし430MHzでは試作機及びFCZ研のいずれも、50Ωのダミーロードに対しSWRが3以上になり、実用にはなりません。

 FT37-77を使った検出部

MHz

SWR

FCZ-SWR

7 1.05 1
21 1.03 1
50 1 1
144 1 1.05

構造設計(2022/6/3)
形状としてはSWRブリッジとほぼ同じですが、部品同士の干渉を避けるため2〜3mmずらした箇所があります。

 イメージ図 

◆ケース作りと内部配線(2022/6/3)

  1. ケースのサイズは幅60×高さ75×奥行30mmで、1mm厚のアルミ板で作りました。
  2. 高周波が流れる部分は空中配線により最短距離で結びます。
  3. 同軸は1.5D2Vを使い、網線はANTコネクタ側のみアースにしています。
  4. 検出部はANT側のみで、スイッチによりコイルの極性を切り替えています。
  5. トロイダルコアと同軸の周囲を0.5スズメッキ線でゆるく巻いて、アースラインとします。
  6. このアースラインを巻くという作業が意外と難しく、当初は切ったスズメッキ線を同軸やコアの上から被せるように巻いたものの、きれいには巻けませんでした。
  7. そのためプラスドライバの軸(直径6.5mm)にスズメッキ線を6,7回スペース巻きしたものを作り、同軸の上に回しながら被せるという方式を取りました。
  8. アースラインは2本とし、1本目は右巻き、2本目は左巻きのものを作って同軸の上にかぶせ、接触部分は半田付けし、両端はケースにアースします。

 プラスドライバの軸に0.5スズメッキ線をスペース巻きしてコイルを作る

 コイル状のスズメッキ線を回しながら巻き込み、同軸の上に被せる

 逆向きに巻いたスズメッキ線を巻き込む

 スズメッキ線の接触部を半田付けしてアースラインを作る

アースラインが他の部品と接触しない様に注意してください

 ケース内部

<完了>


参考文献(*印)

  1. アマチュア無線自作電子回路 大久保忠 著 CQ出版社 P94-P102