144/430MHz共用グランドプレーン ホームに戻る
◆はじめに(2008/08/09)
グランドプレーン(GP)は構造が簡単で、U/VHFであれば針金のような線材で作ることができ、自作するには面白いアンテナと思います。このページでは144MHzと430MHzで共用できるGPを紹介します。
144/430GPの全景
◆電気的な構造は(2008/08/09)
- 5/8λのGPとはラジエータの長さが5/8λ、その根元に1/8λのローディングコイルを入れたもので、電気的には6/8λとなり432MHzの場合は52cmで、これは144MHzの1/4λに匹敵します。これを1本のアンテナにまとめ、144MHzでは1/4λ、430MHzでは5/8λとして動作させます。
- 5/8λのエレメントだけではリアクタンス成分が容量性となるため、ここに1/8λ分の誘導性成分を入れてマッチングを取ります。(*1
P27)
- 5/8λのGPは打ち上げか角が低いため、電波が相手局に有効に届くという長所があります。(*1
P28)
- アローラインタイプのGPはラジアルの角度がラジエータに対し160度程開いているため垂直ダブレットに近く、打ち上げ角が低くて電波が丈夫に届くという特性を持っています。
◆製作手順(2008/08/09)
- 外径8mm内径6mmのベークボビンを30mmの長さに切り、コイルのボビンとします。
- ラジエータはΦ3×434mmの真鍮線にΦ6×12mmのスペーサ(A)を半田付けします。
- M型レセプタクルの中心部にΦ6×12mmのスペーサ(B)を半田付けします。
- Φ1のススメッキ線を150mmに切り、スペーサ(B)の下側に巻きつけ、半田付けします。
- ベークボビンの内側に接着剤(2液式ボンド)を塗り、両端にスペーサ(A)、スペーサ(B)を差し込みます。
- Φ1のスズメッキ線をボビンに4回巻いてから、スペーサ(A)に巻きつけて半田付けします。
- スペーサ(B)とM型レセプタクルの絶縁材(ベーク)部分は接着剤を塗り、防水処理をします。
- ラジアルはΦ2×690mmの真鍮線を端から170mmのところで70度の角度で折り曲げたものを4本作ります。
- M型レセプタクル(角座)の四隅をヤスリで磨き、成形したラジアル4本を、放射状に半田付けします。
- 錆止めのため、ラジエータ、ラジアル、M型レセプタクルの台座部分はラッカーで塗装しました。
使用した接着剤(ボンド)
注記:同じエレメント長の144/430MHz移動用GPではコイルの巻き数が3回であるのに、本ページのコイルは4回となっています。これはΦ8ボビンの中には真鍮製のスペーサが入っており、これがコイルのインダクタンスを下げているものと思われます。
◆SWRの調整(2008/08/09)
- 下図のようにトランシーバ、SWR計、アンテナを同軸で接続します。
- 430MHzのFMかAM又はCWで送信し、SWRが最小になるようコイルのピッチを調整します。また144MHzでもSWRが下がっていることを確認してください。
- SWRの調整が終われば、熱収縮チューブでコイルを固定し、更にその上に自己融着テープを巻いて防水処理をします。
144/430MHz用SWR計
◆屋外設置でのSWR値(2024/6/16)
屋外に設置し、下図の条件で144MHzと430MHzにおけるSWRを測定してみました。
◆アンテナの固定(2008/08/09)
- アンテナを固定するポールは、VP13という内径13mmの水道用の塩化ビニールパイプを利用し、8D2V用のM型プラグをはめこみ固定します。
- アンテナにM型プラグをねじ込み、自己融着テープを巻いて防水処理をします。
◆ポールとベランダへの取り付け(2008/08/09)
- テレビアンテナの固定用金具を2つ並べ、ラワン板に取り付けたものをベランダに固定しました。
- 塩ビパイプをΦ24×2m程のグラスファイバーポールに針金で縛りつけます。
- 5DFBの同軸は、塩ビパイプから出てきたところで1回ループさせ、タイラップでポールに固定します。
<完了>
参考文献(*印)
- アマチュアのアンテナ設計 岡本次雄著 CQ出版社