21MHz短縮ホイップ                           もどる

◆はじめに(2022/7/29)
7MHz短縮ホイップに使うセンターローディングコイルの計算がうまくいったので、拡張版として21MHzの短縮ホイップについても作ってみたくなりました。上部と下部エレメント、及び基部は7MHzの物を流用し、短縮コイルの交換だけで7にも21にも使えるようにしようと思います。


センターローディングコイルの設計(2022/7/29)
計算式については「アンテナハンドブック」 P390-391からの引用です。 またセンターローディングコイルの計算サイトもあります。

 図2 アンテナハンドブック P390

上部エレメント長h2=870mm、下部エレメント長h1=500mm、エレメント全長h=h1+h2、エレメント平均直径d=6mm、21.2MHzの波長λ=300/21.2*1000=14151mm

Ka=エレメントの平均特性インピーダンス 、 XL=ローディングコイルのリアクタンス

Ka≒60(loge(2h/d)-1) = 60(loge(2*(870+500)/6)-1) = 307Ω

XL/Ka = cot(2πh2/λ) - tan(2πh1/λ)     ※ 右辺の( )内の角度はラジアン 、 180°=πrad 、 cotθ=1/tanθ

    = cot(2*3.14*870/14151*180/3.14) - tan(2*3.14*500/14151*180/3.14)

    = cot22.13-tan12.72 = 2.46-0.23 = 2.23

XL = 2.23*Ka = 2.23*307= 685Ω

ローディングコイルのインダクタンス L = XL/2πf = 685/(2*3.14*21.2) = 5.15μH

空芯コイルの計算式から φ0.8のウレタン線を外径22mmのボビン(塩ビ水道管VP16)に17回密巻きすると5.56μHになり、ウレタン線は1.2mほど必要になります。

短縮コイル(2022/7/29)

  1. ガラエポ1.6mmの両面プリント基板を幅16.5o×長さ25oに切り出し、両端の中央部に幅4.6o×10oの切り込みを入れ、M3×10oの支柱(両端メネジ)を半田付けします。
  2. 両面基板の中央部は幅5oほど銅箔をはがして絶縁します。
  3. 水道管VP16(外径22o×内径16.5o)を25o長に切り、コイル用のボビンとします。
  4. ボビンを万力で挟んで少しつぶし、そこにプリント基板を挿入し、万力を緩めることで固定しました。隙間がある場合は、塩ビに有効な接着剤を流し込んでおくと良いでしょう。

 短縮コイルの部品

 支柱を半田付け

 万力で挟み、ボビンを少しつぶして基板を挿入し、万力を緩めて基板を固定する


(左)φ0.8のウレタン線を17回巻いて短縮コイルを作る

◆上下エレメント(2022/7/29)
上下エレメントについては7MHz短縮ホイップと同じものを使っていますので、製作方法はそちらをご覧ください。コイルの交換で7にも21にも使えるようにしています。


調整編

◆コイルの巻き数を調整(2022/7/29)

  1. 21H1機にSWR計と短縮アンテナを取り付け、またグランド端子には3.4mのアース線を1本つなぎました。
  2. ロッドアンテナを縮めるとSWRが下がる傾向にあるため、コイルの巻き数を減らして14回巻きにし、コイル間隔を調整するとSWRは1.1になりました。
  3. アース線を2本にするとインピーダンスが下がって容量性になるため、インダクタンスを増やすことが必要です。
  4. 調整が終わればコイル部分には熱収縮チューブを被せ、ライターの炎で加熱して収縮させ、コイルを固定し保護します。

 コイル間隔を調整し、熱収縮チューブを被せて完成


3つに分解した短縮ホイップ。ローディングコイル以外のエレメント等は7MHz短縮ホイップと共通です。

SWR特性(2022/7/29)
YAESUのFT817NDに3.4mのアース線を1本接続してSWR特性を測定しました。電話モードの21.150〜21.450MHzについてはSWR1.5以下に入っており、問題なく使えるレベルです。

<完了>


参考文献 (*印)

  1. アンテナハンドブック  CQ出版社