7MHz SSB VFO式トランシーバ
◆はじめに(2015/3/13)
今年になってからVFOの温度補償についての実験を進め良い結果が得られたため、実機に搭載したSSBトランシーバーの製作を進めようと思います。基本的なデザインや考え方は7H2機を踏襲し、いくつかの改善を行うつもりです。
◆7H2機からの変更点(2015/3/13)
◆正面パネルに取り付けるプリント基板の製作(2015/3/27)
7H3機はプリント基板を2枚構成にしていますが、その1枚は正面パネルのメータの裏側に取り付けるようにします。この基板に @AFアンプ Aスタンバイ回路 Bスキャン回路 C電圧降下検出回路 D8V安定化電源 の機能を50×55mmのスペースに収容しています。
(左)正面パネルの裏側 (右)プリント基板
◆正面パネルの加工と組み立て(2015/4/3)
正面パネルは1.5mm厚のアルミ板を加工して作ります。その後部品を取り付け裏側の配線を進めました。AFアンプ、スタンバイ回路、スキャン回路、電圧降下検出回路、8V安定化電源、いずれも単独回路のため配線を終えたら動作確認しておきます。
加工した正面パネル
(左)正面パネル (右)正面パネルの裏側
◆周波数の表示(2015/5/21)
周波数の関係が逆ヘテロダインになるため、周波数表示をするメータ(電圧計)は上下ひっくり返して取り付け、目盛りは右に振れるほど周波数が上がるように印字しました。
◆ケースの製作(2015/4/10)
ケース構造の考え方は7H2機と同じですが、カバーの取り付けネジがVXOのカバーに干渉したりとか幾つかの問題点があったのでそれを解消するように寸法を微調整し、全体として干渉やガタツキがないようにしています。
◆コイル巻き(2015/4/10)
7Kコイルはサトー電気で通販購入した中国製のボビンで、ケースにはあらかじめ巻き数を細マジックで書いておき、後から区別が出来るようにしておきます。また使用する線材はオヤイデ電気にて購入したφ0.1のウレタン線です。
◆基板の設計と製作(2015/4/17)
基板を2枚に分けたことでトランシーバー本体のスペースにゆとりは出来たのですが、グランド部を広くとったり配置のバランスをとったりで基板設計には時間を要しました。左半分にSSBジェネレータ部、右半分がトランスバータ部という考えは7H2機と同じです。配線の水色は送信部、ピンク色は受信部、黄色は共通部、灰色はグランド、緑色はAGCを示します。また破線はジャンパ線、基板の周囲にある5箇所の切り欠きは正面パネルへの配線を通す箇所です。
◆基板のパターン書き(2015/4/17)
@設計した基板のパターンを裏返してプリントし銅箔面にセロテープで貼り付ける A銅箔に千枚通しで印をつける Bφ1のドリルで穴をあける C銅箔面をスチールタワシで磨きシンナーで汚れを取る Dマジックインキでパターンを書く。 そんな手順で基板のパターンを描きました。プリント基板用CADと感光基板を使えばグランド部をもっと広く取れるのでしょうが、細マジックによる手書きではこの程度で落ち着くことにしました。
◆基板のエッチング(2015/5/1)
エッチングをするとき塩化第二鉄溶液を無駄にしないためにもちょうど良い大きさのケース探しはなかなか大変です。今回は150×100mmという基板サイズのため、葉書をいれるプラスチックケースを使いました。エッチングが終われば溶液から取り出して流水で洗い、銅箔面のマジックインキはスチールタワシで落とします。シンナーで表面の汚れを取り、乾燥させた後フラックスを塗りました。
◆部品の取り付け(2015/5/1)
基板が出来上がれば後は部品を穴に差し込んで半田付けを進めます。
◆VFO部(2015/5/9)
5MHzのVFO部は温度補償を追及し好結果が得られたものです。温度補償の温度補償コンデンサやコイル、バリキャップなど温度変化に影響されやすい発振部には、0.6mmのアルミ板を32×28×13mmの箱状に曲げたカバーを被せます。M2×10の高ナットを基板に2本立て、そこにM2のネジでカバーを固定しました。またセラミクトリマを調整する穴を開けておきます。
◆基板と正面パネルの配線(2015/5/9)
7H2機は1枚の基板にトランシーバーの機能を収納したため正面パネルと基板を結ぶ配線の本数は20本ありましたが、7H3機は基板を2枚に分けたことで11本に減らすことができスッキリしました。正面パネル側の中継端子としてはFCZ基板(IC用)をカットして両面テープで貼り付ける方法は7H2機と同じです。
(左)IC用FCZ基板を使った中継端子 (右)配線を終えた7H3機
◆周波数対送信出力(2015/5/15)
配線を終え調整段階に入りました。今年の2月から力を入れ実験を進めてきたVFOの安定度は良く、付属回路は思ったように動作し、送信出力は最大3Wほど出ています。ところが7.1MHzで2Wに出力を設定し、周波数を上下して送信出力を調べると上のグラフのように増減します。VHFでは200kHzほどの開きは余り気にしていなかったものの、7MHzとなるとそうはいきません。スタガ同調というか、各コイルの同調点を少しづつずらしバンド内で一定になるような調整が必要になりました。
◆電源電圧対送信出力(2015/5/15)
電源電圧を変化させたときの送信出力は下のグラフのとおりです。
◆スピーカーグリル(2015/5/22)
1.5mmのアルミ板を加工し、つや消し黒の塗料をスプレーして下の画像のようなスピーカーグリルを作りました。メーカー製のようなメッシュのグリルと言うわけにはいきませんが、デザイン上のアクセントにはなるでしょう。次回作るときはもう少し穴の数を増やしてみようと思います。
<完了>