430MHzSSB1W固定トランシーバ(430S2) ホームに戻る
◆はじめに(2024/10/25)
2024年のQSOパーティーがきっかけで430MHzSSBトランシーバを自作してみたくなり、ステップを踏みながら進めてきましたが、試作や製作の経緯があちこちに分散しているため、430S2という新たな型番を設定し、主な仕様と画像をまとめておきます。内容的には430S1機のジェネレータ部はそのまま使い、100mWトランスバータ部を外して1Wトランスバータの430T2に置き換えたものです。
◆特徴(2024/10/25)
- 2つの同調ツマミ @10回転ヘリポットと大径ツマミによる容易なチューニング、A小径のVR直結ツマミによる素早いチューニング
- 三角波発生回路によるスキャン機能でバンド内を自動ワッチできる
- 周波数表示はレベルメータに目盛りを貼り付けて直読できる
- 周波数カウンタを接続すれば、スケジュールQSO等に正確な周波数の読み取りが可能
- ケースは2mmと1mm厚のアルミ板で自作。
◆仕様(2024/10/25)
- 周波数 : 430.140〜430.300MHz
- 送信出力 : 1W
- 終段TR : 2SC3006
- 受信部 : 第1中間周波数=58MHz、第2中間周波数=14.318MHz Wスーパー
- サイズ : 幅200×高さ70×奥行150mm(突起部を含まず)
◆ブロックダイアグラム(2024/10/25)

◆トランスバータ回路図(2024/10/25)

◆ジェネレータ回路図(2024/10/25)

◆基板パターン図(2024/10/25)
基板サイズは、トランスバータ部(150mm×70mm)、ジェネレータ部(120mm×100mm)
トランスバータ部
ジェネレータ部
◆内部構造と外観(2024/10/25)

(左)上面 (右)下面
外観
◆スペアナによるスプリアスの測定(2025/5/1)
スプリアス領域における正式な測定方法は、「1500Hzの変調をかけSSBの飽和する電力を確定し、その80%になった変調入力レベルと同じ疑似音声入力とする」とのことですが、以下の測定は1000Hzの正弦波による簡易的な方法です。
- tinySA ULTRAでスプリアスを測定しました。
- 低周波発振器(1000Hz)→430S2機→50Ωダミーロード(0.5PF端子)→30dBアッテネータ→tinySA
ULTRA の順に接続します。
- 出力を1Wに設定し、スプリアス領域において測定した結果、372MHzが46.5dBcで現れました。
- 46.5dBc(1/44668)は22μWとなり、新スプリアス規格の50μW以内に収まりました。
出力1W時におけるスペアナ画像
<完了>
参考文献
- アマチュアのV・UHF技術 CQ出版社
- 50→430MHzトランスバータキット CV607B回路図 サーキットハウス社
- HAM Journal 1991年4月号 50→430MHzトランスバータの製作 JA6RWM
上村誠 CQ出版社
- HAM Journal 1991年4月号 430→144MHzクリスタルコンバータの製作 JA6WVR
坂梨健次郎 CQ出版社
- 西無線研究所 NTS710回路図
- 八重洲無線 FT-790mkU取扱説明書
- ダイナミック・ハムシリーズ リニアアンプスタイルブック CQ出版社
- 高周波回路設計ノウハウ 吉田武著 CQ出版社
- 総務省無線設備規則
- JARL QRP CLUB ホームページ
- JARDのスプリアスに関する資料
- 430MHzSSBの紹介(430.NET)