144MHz SSB 3W固定用トランシーバ(144S6)      ホームへ戻る

はじめに(2020/5/22)
2020/4/8に緊急事態宣言が発令されて以来外出自粛の生活が続いており、身の回りの不用品整理を進めている日々です。これまでにトランシーバーは何十台も作りましたが、役目が終わったものは分解して部品は再利用しています。しかし自作したケースはほとんど再利用することなくそのまま残しており、結構な量になっていました。場所をとるからと言って貴重なアルミ板を処分してしまうにはもったいなく、穴が多数開いている部材は廃棄するとしても、きれいな部分だけでも使えないかとの思いが湧き、巣ごもり生活の間に何か作ってやろうという気持ちになりました。

144MHzSSBについて(2022/9/16)

  1. 近畿の各府県には2mSSB愛好会があり、1970〜1980年代の賑わいは無いものの比較的アクティブな周波数・モードといえます。平日ならば20〜22時、休日ならば移動運用局が出るため昼間でも交信のチャンスがあります。また定期的にコンテストが開かれており、そんなときは急に賑やかになります。
  2. 3エリアでは月〜土の8:30頃から2時間ほど、144.190MHzにて「朝のおはようさん」という時間があり、キー局(JO3AMB局、JI3KZD局)に対しRSリポートを交換します。声掛けだけですぐに引っ込んでも良く、毎日150局ほどが参加しています。こういった地道な活動が、3エリアにおける2mSSBのアクティブ度を維持しているといってもよいでしょう。
  3. 144MHzはラグ板配線が応用出来る上限周波数であり、アンテナも程々に小型で済むため、私にとっては運用と自作が楽しめる周波数と言えます。
  4. 2022/7/3の13時前に144.145MHzで台湾のBX2AJF局がQSBを伴いながらピーク59で入感しました。直線距離で1700km。ビッグアンテナならばいざ知らず、7mH 1/2λ電圧給電アンテナで良く入感したなと思います。こんなコンディションの時がまれにあります。

 月〜土曜「朝のおはようさん」の周波数

リグのデザインを考える(2020/5/22)

  1. このところハンディ機の製作が多かったものの、振り返ってみると半年ほど何も作っておらず、私のメインバンドである144MHzのSSB固定機でも作るかということになり、まずはどんな形にするかとCADを使って設計を進めます。
  2. 主同調の大きなツマミを右側に置き、左下にAF-GAIN等の小さなツマミを2個、その上にSメータというデザインは1970年に販売されたトリオのTR-2200が原形で、操作性と配置的にも収まりが良く、これまでよく使ってきたデザインです。VUメータの付いたオーディオアンプっぽい感じもします。
  3. このタイプのトランシーバーのスピーカーは側面に配置するのが一般的ですが、側面カバーにスピーカーが取り付けてあると、リグをいじるときにリード線が邪魔になるため、スペースに余裕があれば正面パネルに取り付ける方が何かと便利です。

 トリオTR-2200

 正面パネルのデザイン

◆電子同調(2022/9/2)

  1. 15年ほど前のことですが、VXOに使うエアバリどころかポリバリも入手しづらくなり、その代用品としてバリキャップを使うのはかなり抵抗感がありましたが、使ってみると三端子レギュレータで電圧さえ安定化しておけば何も問題の無いことが判りました。
  2. 10回転ヘリポットを使えば減速機構が不要で構造が簡単になり、周波数表示に電圧計を使って目盛りはCADで作り、印画紙にプリントすることにしました。
  3. バリコンはVXO発振部の近くに配置せねばならず、それにつながる減速機構をリグの中央から右寄りに置くと配置上の制限が発生します。しかしバリキャップとヘリポットであれば電気的に結線するだけで良く、配置上の制限から解放されます。
  4. 電子同調にするならTR1300にあったスキャン機能を加えてみようと、タイマー用ICのNE555による三角波発生回路殻の電圧をバリキャップに加えてみると、いちいちダイヤルを回さなくて良く中々便利な機能であることが分かり、アナログ回路として1つのパターンを確立しました。
  5. ヘリポットは以前秋月にて@700で購入でき他店の半額でしたが、最近確認したら@1500に値上がりしており、コロナとか円安とか時代を反映しているのでしょうか。

 
(左)バリキャップ FC54M (右)10回転ヘリポット

部品の再利用(2020/5/22)

  1. 緊急事態宣言は解除されましたが外出自粛は続いているため日本橋へは行きづらく、また通販の方も忙しそうなので手持ちの部品で作ることを前提に仕様を考えます。
  2. 再利用のアルミ板は多少穴が開いていても力のかからない部分であれば金属用パテで埋めることにします。
  3. 20年ほど前にミズホ通信の11.2735MHz水晶フィルタ(@4,000)をサトー電気で多数買い、それに対応したVXO用の水晶を川崎電波で注文したものが残っているため、これを使うことにします。
  4. 半導体、抵抗、コンデンサ、スイッチ、コネクタ等も出来るだけ再利用して使います。

 ミズホ通信の11.2735MHz水晶フィルタ

◆仕様(2020/5/22)

  1. 周波数:144.130〜144.300MHz
  2. 送信出力 : 3W
  3. 終段 : 2SC1971
  4. 受信部 : 高1中2シングルスーパー
  5. 中間周波数 : 11.2735MHz
  6. ケース : 幅200×高70×奥行150mm できるだけ再利用のアルミ板を使って自作する
  7. 配線方式 : プリント基板と平ラグ板を併用
  8. 同調 : バリキャップと10回転ヘリポットによる電子同調、周波数表示はVUメータに目盛りを貼り付けて使用
  9. 機能 : 三角波発生回路によるバンド内自動ワッチ
  10. 電源電圧 : 12V

製作編

ケースの製作(2020/5/30)

  1. ケースはアルミ板による自作とし、正面パネルは2mm厚、他は1mm厚を使います。
  2. また上下の蓋を固定するために9×9mmのL型アングルを使い、それぞれを3mmのビスで固定します。
  3. 再利用する部材で穴が開いたところは金属用パテで埋めました。

 
(左)ケース 幅200×高70×奥行150mm (右)再利用品で穴の開いた箇所は金属用パテで埋める


正面パネルに部品を取り付ける(途中で設計変更しているためCAD図とは部分的に異なります)

◆配線方式はラグ板とプリント基板の併用(2020/5/30)

  1. 主な部分は平ラグ板による配線としますが、このサイズでは全ての回路を収納できないため、VXO部と終段部はプリント基板を使います。
  2. 終段の2SC1971は後部パネルに直接取り付け、放熱を良くします。

 

◆目盛りの製作(2020/5/30)

  1. 周波数表示とS/POWERメータは共立電子で買ったVUメータ(@460)を使うため、目盛りは自作します。
  2. 周波数や出力は実測してCADで目盛りを作りましたが、S表示は適当に目盛りを書きました。
  3. これを写真用のフォトペーパーにインクジェットプリンタで印刷し、小さく切った両面テープを裏面の四隅に貼りメータ面に貼り付けます。

 
(左)VUメーター (右)目盛りを貼り付け

◆スピーカーグリル(2022/9/9)

  1. 受信専用機であればスピーカーを正面パネルに配置したものは見かけますが、トランシーバの例は余り無いものの古くはトリオのTR1000があり、あれを真似したかったのですが、工作技術が及びませんでした。
  2. 1970年代にCQ誌が開催したトランシーバーコンテストでは、男性用整髪料の丸いフタをグリルに使った例がありました。
  3. スピーカーをリグの正面に配置するため、見栄えのことを考えて少し凝ってみました。プリント基板と真鍮の金網を使った製作方法についてはスピーカーグリルを御覧ください。

  
(左)TR1000のスピーカーグリル
 (中)長円径(40×28mm)のスピーカー (右)製作したスピーカーグリル


回路について

◆受信部(2022/9/9)

  1. 高周波増幅は2SK439を使いゲートにはAGCをかけています。混合部2SK439のソースにはVXOからの信号を注入します。
  2. 144MHzの信号が通る箇所はカーボニル鉄トロイダルコアT25-12を使用して損失を少なくします。
  3. 送信部と共用している水晶フィルタで帯域を絞り、その後2SK241を2個使って中間周波増幅を行います。2SK241にはAGCをかけてゲインを制御します。
  4. 検波部は1N60を4本使い、局発からの信号を加え音声信号を取り出します。
  5. 音声信号は微弱なため2SC1815で低周波増幅を行い、LM386によりスピーカを鳴らします。なおLM386の2ピンには送信時に100Kを通して電圧をかけ動作を止めます。
  6. 受信から送信に切り替わるときのクリック音を止めるため、2SC1815によるスイッチング回路を設けています。
  7. 低周波増幅の後にAGC増幅を行ってマイナスのAGC電圧を作り、これでSメータも振らせます。
  8. スキャン回路はNE555で三角波を作り、約5秒で上から下までをワッチします。

 
(左)高周波増幅+混合部 (右)スキャン回路

◆送信部(2022/9/9)

  1. マイクアンプ部ではコンデンサマイクからの信号を2SC1815で増幅しバラモジ部に加えます。
  2. NE612ANの6,7ピンで作った局発信号と、1ピンに加えた音声信号を合成してDBMの信号を作り、4ピンから取り出して水晶フィルタに加えます。
  3. 受信部と共用している水晶フィルタによりUSBの信号のみ通します。
  4. 周波数変換部ではNE612ANの1ピンにクリスタルフィルタからの信号を加え、6ピンにはVXOからの132MHzの信号を加えて周波数変換を行い144MHzの信号を作り、2段のバンドパスフィルタを通し144MHz以外の信号を減衰させます。
  5. 2SK241にて増幅してから2段のBPFを通し、2SC1906、2SC2538でドライブ増幅し、終段へ信号を送ります。
  6. 2SC2538出力部のBPFを通したところでしっかり調整し、その後終段部をつないで最終調整をします。
  7. 終段は2SC1971を用い、この部分のみプリント基板を使い後部パネルに取り付けます。

 
(左)マイクアンプ+バラモジ部 (右)周波数変換部 

  
(左)励振増幅部 (中)終段部基板 (右)終段の放熱部

◆共通部(2022/9/9)

  1. VXO部は川崎電波へ特注した14.785MHzの水晶を使い、その後2SK241と2SC1906で3逓倍を2度行い132MHzを作ります。発振部には三端子レギュレータで安定化した8Vの電圧をかけています。中間周波増幅ではミズホ通信のフィルタ(11.2735MHz)を使うため、VXOの周波数はそれに合わせ、カバー範囲は144.130〜144.300MHzになりました。発振部には0.6mm厚のアルミ板で作ったカバーを被せ、周囲温度の変化を緩やかに受ける構造としました。
  2. 局発部はNE612ANを使い発振させ、トリマで11.272MHzに合わせキャリヤポイントとします。
  3. クリスタルフィルタはミズホ通信の11.2735MHzのもので、20年ほど前にサトー電気で多数購入したものが残っており、もったいないので使うことにしました。
  4. スタンバイ回路はTRスイッチで、2SC2120と2SA950はコンプリ用のペアトランジスタで最大電流は800mAとなっています。
  5. アンテナ切り替えはオムロンのG5V-1という12Vのリレーを使い、コイル端子にはダイオードの10D-1をパラに接続しサージ電圧をカットします。

 
(左)VXO基板内部 (右)発振部にカバーをかぶせたところ

周波数の直線性(2020/5/30)
同調は10回転のヘリポットを使い、三端子レギュレータで安定化した8Vをバリキャップ(FC54M)に加えます。ヘリポットには直線性補正用抵抗の100KΩを並列につないでおり、回転数対周波数のの関係は下のグラフのようになりました。

VXO部の周波数変動(2020/7/10)
電源ONしてからの周波数変動を調べてみました。3分程度までは40Hzほど動き、その後はじわじわと上がります。ただし私が基準としている100Hz/10分は十分に満たしているため、実用上問題はありません。


設計・製作する上での工夫と注意した点

同じ周波数を何段も増幅する送信部には異常動作を誘発する箇所はいくつもありますが、それらを1つ1つ対策することで何事も無いかのように電波は飛んで行くものです。回路はシンプルに越したことはありませんが、シンプルすぎると暴走することもあるため、所々に緩衝材や不要な信号をブロックする回路が必要になります。

◆送信部(2022/9/16)

  1. 20P平ラグ板上に4段のストレートアンプを組むと異常動作した経験があるため、終段は別基板として後部パネルに取り付けた。
  2. 周波数変換後の増幅段の石は通常2SK439を使いますが、ここでは少しゲインの低い2SK241にしました。もし不安定動作をするならば、ゲートに数kΩの抵抗を入れてグランドに落とすか、ドレインとコイルの間に100Ω程度の抵抗を入れます。
  3. ドライブ段と終段のベースには安定化抵抗として4.7Ωをいれた。
  4. 高周波の回り込み防止用として、マイクアンプ部の電源回路に1kΩ+103×2のデカップリング回路を入れた。電解コンデンサは22μ以上が必要。
  5. 終段のベースバイアス部には電解コンデンサを入れ、異常動作を防止する。

 終段のベースに挿入した安定化抵抗

◆共通部(2022/9/16)

  1. 3端子レギュレータの入出力には104の積層コンデンサを入れるとともに、出力側には異常発振防止用の電解コンデンサを入れた。
  2. VXO異常発振防止のため、コイルと並列に33KΩを入れた。
  3. VXO用水晶のケースはアースしてボディエフェクトを防ぐ。
  4. QRHを少なくするためVXO発振部2SC1906のコレクタ電流は0.5mAとし、電源ON後2〜3分で実用的な安定度に達する。
  5. 電源回路には大きめの電解コンデンサを入れて回路のインピーダンスを下げる。

トロイダルコアの採用(2022/9/16)
サトー電気で販売している7Kコイルについて性能評価のため国産と中国製を空芯コイルと比較してみたことがあります。その結果50MHzまでは遜色無く使えますが、144MHzになると伝達効率が70%ほどに低下することが判りました。しかしFCZコイルの144MHz用は空芯コイルと同等の性能であり、おそらくコアがフェライトではなくカーボニル鉄を使っているからではないかと推察しました。私が作る144MHzのトランシーバーはサトー電気の7Kボビンを多用しており、損失分は増幅度でカバーするしかないかと割り切っていたものの、頭の隅には引っかかっている問題でした。アミドンやマイクロメタルのトロイダルコアはカーボニル鉄を使い損失が少ないとPRしており、ここで採用してみます。

 
(左)トロイダルコア T25-12 (右)コイルを巻いたところ

バラモジと周波数変換はNE612を使用(2022/9/16)
NE612(SA612等)は値段も様々で20年ほど前は共立電子で500円しており、気楽に使えるものではありませんでした。現在でも1Kほどの値段をつけている店もありますが、私はイーエレにて320円で購入しました。外付け部品が少ないのでバラモジ部は簡素化できました。周波数変換部は空中配線を多用して配線を短くし、また使わない2,7ピンはパスコンでグランドに落としてバランスが崩れないようにします。

 NE612AN

◆配線(2022/9/16)

  1. 高周波の流れるインピーダンスの高い部分は最短距離で配線する。
  2. 高周波が流れ、インピーダンスが低く、遠くまで引き回す配線は同軸(0.8DQEV)を使った。
  3. 低周波が流れ、遠くまで引き回す配線は、高周波が乗ることを防ぐためシールド線を使用した。
  4. 直流が流れる配線でも終段に近い箇所は高周波が電源回路に流れ込むことがあるためシールド線を使う。
  5. 各部品や特にバイパスコンデンサはリード線を短く配線する。リード線が長いとその部分のインダクタンスや浮遊容量がローパスフィルタとして働き、周波数特性が低下するからです。
  6. 平ラグ板のアース部は卵ラグで太く短くシャーシに落とす。
  7. ビニール線は、送信部(青)、受信部(赤)、共通部(黄色)、●アース(黒)、AGC(緑) のように色分けしてチェックしやすくしています。

 配線は用途に応じて色分けする

高輝度LEDの使用で消費電流を減らす(2022/9/16)
パイロットランプとして高輝度の青/赤LEDを使用し、電流制限用の抵抗として10KΩを使うことで消費電流は1mAになりました。高輝度でない緑/赤LEDでは1KΩを使うと消費電流は10mAなので、こんなところでも省エネが図れます。

低周波増幅の結合コンデンサはギリギリ小さい値のものを使う(2022/9/16)
トランシーバーというものは送信/受信を頻繁に切り替えるため、動作の立ち上がりを素早くすることが必要です。本機のように低周波増幅段でAGC増幅している回路では、AGCの立ち上がりを早くするため結合コンデンサは1μという小さな値のものを使っています。

メータの取付方法(2022/9/16)
正面パネルに2個のメータを並べますが、両端にM2のビスを取り付け、裏側から96×23×1mmのアルミ板で2個まとめて押さえつけ固定します。

 
(左)正面から見たところ (右)押さえ板を取り付けたところ


特性測定(2020/7/27)
FFTを使ってスプリアスを調べてみました。下の画像のように144MHzの信号が観測できますが、過剰入力になると周りに他の成分が現れ始めるため、実運用の時はマイクにかじりつかないよう注意することが必要です。


改造編

同調ツマミの追加(2020/7/27)
製作当初は10回転のヘリポット(100KΩ)による主同調と、直列に接続した5KΩボリュームによるファインチューニングとしていましたが、ヘリポットだけでも同調は可能で、このファインチューニングはどちらかというとデザイン上の目的(正面パネルのバランスのため)でつけていました。それを何か別の用途に使えないかと考え、第2同調としてスイッチで切り替えることにしました。すなわち

  1. 第1同調は100KΩB型の10回転ヘリポットとし、通常の運用に使う。
  2. 第2同調は100KΩB型のVR(可変抵抗器)を使い、バンド内を素早くワッチするのに使う。
  3. 第1同調と第2同調はスイッチで切り替える。

 
(左)第2同調を追加した正面パネル (右)改造した回路

(以下追記2022/9/16)

  1. 第1同調でメインの局を聞きながら他に誰か出ていないかを第2同調で探す、というアナログ的なメモリとして使うことができ、意外と便利な機能です。
  2. 第1同調に使う10回転ヘリポットは、ローラーが巻き線部を転がる構造のため同調は滑らかです。
  3. 第2同調に一般的な100円程度のφ16VRを使うと、フニャフニャとした周波数飛びのような現象があり、滑らかではありませんでした。
  4. これを東京コスモスφ24の通信機型VRに変更してみたところ周波数飛びが無くなりました。おそらく抵抗体の面粗度や摺動子の構造が違うのでしょう。値段は4〜5倍しますが必要なところにはこのような部品を使いたいものです。
  5. φ16の通信機型VRは手持ちがないので、いずれ購入しようと思います。ただし軸径がφ3のためφ6に変換するアダプタが必要になりますが、φ6のスペーサを加工すれば何とかなりそうです。

  
(左)ヘリポットの構造(*1) (中)VRの構造 (右)TOCOSφ24通信機型VRに変更

(以下追記 2023/3/24)
久しぶりに日本橋に出かけたので、パーツ屋巡りをして通信機型VRを購入しました。

  1. φ16通信機型VR(@484)は軸径がφ3.3のため、ツマミの内径に合わせる必要がありφ6×12mmのスペーサをアダプタとして使います。
  2. スペーサにつまみの固定ねじ(M4)を通すφ4の穴をあけます。
  3. VRの取付ねじ径はφ6ですが、正面パネルにはφ7の穴がすでに開いているため、VRのネジ部に0.6スズメッキ線を3回巻いて穴径に合わせます。
  4. 受信結果ですが、フニャフニャしたf飛びは無くなったため、当初の目的は達成しました。一般的なVRに比べ価格差4倍の値打ちでしょうか。hi

  
(左)各部品を組み合わせる (中)穴径合わせのためにスズメッキ線を巻く (右)ケースに取り付けたところ

(追記は以上)

文字入れについて(2022/9/2)
スプレー塗装後にサンハヤトのレタリングシールを使って文字入れし、透明スプレーで表面を保護するというのが手順です。しかしスプレー塗装は風の少ない乾燥した日に、溶剤の匂いが拡散しないようなブースをダンボール箱で作り、塗り残しが無いよう何度もスプレーと乾燥を繰り返しながら塗装するという手間のかかる作業です。ベランダとか外壁にスプレーの粉が付いたり、風の強い日にやって塗装面に埃が付いてしまったり等々、失敗は一度や二度ではありません。最近は塗装を止め、表面を磨いたアルミ板に、シール式の光沢紙にインクジェットプリンタで印刷したものを貼り付けるという手法をとっています。

 ハガキ大のシール式光沢紙に印刷

外部カウンタ出力の追加(2022/9/2)
周波数カウンタモジュールを入手したので、周波数カウンタ3を作り外部カウンタとして使えるようにしました。オフセット周波数は11.272MHzです。なおゲートタイムが0.64秒ということもあり、同調ツマミを早く回すとカウンタの表示が追従できず、あくまでも最終的に周波数を確認する付属装置としての位置づけです。

 

VXO可変範囲の変更2022/9/2)
製作当初は144.140〜144.340MHzまでカバーしていましたが、上側は余り使うことがないためバリキャップFC54Mに5PF(黒色着色、温度係数=0)のセラミックコンデンサを並列接続し、カバー範囲を144.130〜144.300MHzに変更しました。

 追加したコンデンサ(赤枠内)


運用実績(2020/7/27)
伊丹市の自宅から8mHの1/4λGPあるいは1/2λ電圧給電アンテナで運用した結果です。相手局が移動の場合は良く飛びますね。

日付 相手局 HIS MY 当局運用地 相手局運用地 距離(km)
2020/5/24 JM3IEK/3 57 59 兵庫県伊丹市(自宅)          奈良県平群郡 35
2020/7/25 JJ2ONH/2 57 59 兵庫県伊丹市(自宅) 岐阜県揖斐郡揖斐川町       125
2020/7/25 JG2NCR/2 53 53 兵庫県伊丹市(自宅) 愛知県豊田市 165
2020/11/8 JP3XBN/3 59 59 兵庫県伊丹市(自宅) 滋賀県栗東市

61

2022/5/3 JA5OGX/5 59 59 兵庫県伊丹市(自宅)

香川県喜多郡三木町

132

2022/5/5 JF5BVT/5 53 55 兵庫県伊丹市(自宅)        高知県室戸市          

205

2022/9/25 JJ2ONH/2 59 59 兵庫県伊丹市(自宅) 岐阜県不破郡垂井町

120

             

<完了>


参考文献(*印)

  1. 抵抗&コンデンサの適材適所 三宅和司 著 CQ出版社