430MHzトランスバータ

はじめに(2018/4/27)
2013年に46MHz→430MHzのトランスバータを作ったものの送信部で思ったような性能が出ず、回路や部品を変更しようとしても組み立て上げたプリント基板はシールド板も立って変更が難しく、結局お蔵入りになりました。144MHzまでは平ラグ板を使った配線方式で回路を検討できましたが、UHFになるとそれなりの配線方式が必要になります。今回はベークの生基板を全面グランドとし、その上に高周波部分は空中配線、電源部分は細く切ったプリント基板を貼り付けるランド方式で試行してみようと思います。

 2013年製作の430トランスバータTX部・・・失敗作hi

ランド方式と空中配線(2018/4/27)

  1. 高周波の絶縁物は空気が最良であり、リード線部を短く切れば高周波的にも理想的な配線になります。
  2. プリント基板は銅箔部のみ使用するため絶縁材は何でもかまいませんが、ここでは安価なベークを使用します。
  3. 基板の銅箔面はタワシやクレンザーを使ってよく磨き、銅箔面にフラックスを塗っておけば半田の乗りが良く酸化防止になりますが、試作の場合は省いてもかまいません。
  4. 電源ラインはプリント基板を幅3〜5mm程度に細く切り、適当な長さに切ってから両面テープや瞬間接着剤でグランド面に貼り付けるランド方式としました。
  5. 主なコイルは空芯のため、高周波の不要な結合による不安定動作を防ぐよう、入出力の間にシールド板を配置する。

◆トランスバータの構成(2018/5/4)
以前作った430MHzのクリコンで親機を50MHzにしたところ、入感に喜んだものの信号は50MHzだったことが分かりがっかりしたことがありました。そんなこともあり、ここでは親機の周波数を46MHzとしています。(VXO16MHz×2=32MHz、中間周波数14.318MHz)

  1. 局発部は42.666MHzを3×3の9逓倍して384MHzを作ります。
  2. 送信部では親機の46MHzと局発の384MHzをDBMに入れて430MHzを作り、3段増幅して必要な出力を得ます。目標出力は500mW。
  3. 受信部は高周波増幅後に384MHzと混合して46MHzの信号を親機に流します。

◆局発部(2018/5/4)

  1. 42.666MHzのオーバートーン水晶で発振させ、3逓倍×3逓倍で384MHzを作ります。
  2. 7Kコイルは銅箔面に半田付けし、周囲に部品を空中配線しますが、コアを回すためのセラミックドライバが入る空間は確保しておきます。
  3. UHF部の同調回路についてはφ1×45mmのスズメッキ線をφ5の丸棒に1回巻き付けたものと、6PFの3本足セラミックトリマを使いました。
  4. 3本足トリマは銅箔面に半田付けするとしっかりとした端子になり、コイルの片側も銅箔面やランドに半田付けすることで構造的に安定します。
  5. DBMにて局発信号によりダイオードをスイッチング動作させるには5mW程度(少なくとも1mW以上)は必要とのことです。


ベークの生基板上に空中配線した384MHz局発部

◆DBMユニット(2018/5/11)
DBMは細い線を使っているため空中配線では構造的に不安定になるので、ガラエポ基板(24×12mm)を切り出して彫刻刀で溝を掘ったものを使います。ダイオードはショットキーバリヤの1SS99を4個使いますが、コアを3種類替えてみたところ損失の少ない順で以下の結果になりました。

メガネコア>T25−12>FB101

  
(左)メガネコア (中)トロイダルコアT25−12 (右)フェライトビーズFB101を2個接着したもの

通り抜けとシールド(2018/5/18)
DBMの後に2SC3355と2SC2407のアンプを付けて430MHzの信号を増幅していますが、OSCからの384MHzの通り抜けがあります。DBMの出力段にシールド板を追加したりBPFを2段にして減衰はするもののまだまだ不十分です。430MHzはちょっとした長さのリード線が信号の漏れにつながるため、144MHzでは味わなかった高周波を扱う感性が必要になります。

<以下続く>


参考資料

  1. 高周波回路設計ノウハウ 吉田武著 CQ出版社
  2. アマチュアのV・UHF技術 CQ出版社
  3. トロイダル・コア活用百科 山村英穂著 CQ出版社
  4. 50→430MHz トランスバータキット CV−607B取説 サーキットハウス