21MHzセンターローディングダイポール ホームに戻る
◆はじめに(2023/5/5)
水平偏波の電波が電離層で反射すると地磁気の影響を受け楕円偏波になって垂直成分が現れるため、反射波は垂直系のアンテナでも受信できるようになりますが、地上波の場合は偏波面を合わせないと電波が弱くなってしまいます。21MHzは水平偏波が一般的であるため、移動用として水平偏波のアンテナを作ってみようと思います。
◆部品の兼用(2023/5/5)
これまでに作った水平偏波のアンテナとしては50MHz移動用ダイポールがあり、今回の製作に当たって、ポール(釣り竿)、給電部、バラン+同軸ケーブルは兼用とし、エレメントとコイルは21MHz用に新作します。給電部についてはφ6の真鍮パイプを120°の角度で取り付けていますが、ダイポールの場合は120°でインピーダンスが50Ωになることから来ています。
兼用する部品 (左)給電部 (中)給電部裏面 (右)バラン
エレメントを差し込み、給電部をポールに固定
バランを接続
◆エレメントの長さについて(2023/5/5)
50MHzの場合は片側のエレメント長は1.4m程ですが、φ5〜7のアルミパイプのみを使用しているため非常に軽く、給電部に取り付けても不安はありませんでした。しかしローディングアンテナのエレメントは途中にコイルが入るため、重くなって給電部に負荷がかかります。試しに全長1.4mの21MHz短縮ホイップを下の画像の給電部に取り付けてみたところ、エレメントがしなって強度的に無理な感じがしました。次に全長1mの21MHzセンターローディングホイップを取り付けてみると大丈夫そうなので、これを2本作って水平ダイポールにしてみます。
◆センターローディングコイル(2023/5/5)
上部エレメント長h2=0.33m、下部エレメント長h1=0.63+0.1=0.73m、エレメント平均直径d=6mm とすると、21.2MHzにおけるローディングコイルのインダクタンスは
センターローディングコイルの計算サイト から 14.1μH
コイルの巻き数は空芯コイルの計算式から、φ0.6のウレタン線を外径22mmのボビン(塩ビ水道管VP16)に28回密巻きすると14.1μHになり、ウレタン線は2m程必要になります。
上記の方法はあくまでも計算上の数値であり目安としてください。実際にアンテナを作ってコイルの巻き数を増減(どちらかと言うと減らす方向)することが必要です。
◆ローディングコイルとエレメント(2023/5/5)
左右のコイルとエレメント
各パーツを組み立てる
◆コイルの巻き数を調整(2023/5/12)
◆SWR特性(2023/5/12)
FT-817NDにSWR計とダイポールを接続して特性を測定しました。21.000〜21.450MHzでSWR1.7以内、21H2機のカバー範囲である21.140〜21.270MHzでは1.1以内に収まっており、問題なく使えるレベルです。
◆エレメントからの輻射(2023/5/12)
さてアンテナからはどのように電波が出ているのでしょう。図のような高周波電圧計を作り、エレメントに沿って左右に移動しながらメータの振れを図に点線で書いてみました。エレメントの左右端に山があり、給電部に谷があります。
◆移動先でのポールの固定(2023/5/12)
釣竿ポールを垂直に立てるには、柱などの固定物にポールを上下2ヶ所結び付けることが必要です。ところが1ヶ所しか結び付ける事が出来ないときは次のような方法があります。
丸パイプをタイラップで止める
ペグをずらして地面に差し込む
横から見る
<完了>
参考文献 (*印)